未上場株とは?仕組み・評価方法から売却の進め方まで解説

未上場株という言葉を耳にしたとき、多くの方は「よく分からない資産」というイメージを持つのではないでしょうか。 相続や贈与、あるいは勤めている会社の持株会などを通じて、思いがけず非上場株式を保有することになったという方は少なくありません。 しかし、上場株式のように証券取引所で自由に売買できないため、いくらの価値があるのかどうやって売却すればよいのかが分かりにくいという特徴があります。

本記事では、未上場株の基本的な仕組みから、評価方法、売却の進め方、そして税金の取り扱いまで、幅広く解説していきます。 すでに未上場株を保有していて今後どうすればよいか悩んでいる方にとって、判断の材料となる情報を整理していますので、ぜひ最後までご覧ください。 なお、個別の法的判断や税額の算定については、必ず専門家にご相談いただくことを前提として読み進めてください。

目次

未上場株(非上場株式)とは

未上場株とは、証券取引所に上場していない企業が発行する株式のことを指します。 日本国内には数百万社の企業が存在するとされていますが、そのうち証券取引所に上場している企業はごく一部にすぎません。 つまり、日本のほとんどの企業の株式は未上場株であるといえます。

未上場株は、上場株式と比べて取引の仕組みそのものが大きく異なる点に注意が必要です。 市場という共通の取引の場が存在しないため、株式を売りたい人と買いたい人が個別に条件を交渉して取引を成立させる必要があります。 このセクションでは、未上場株の基本的な特徴と、保有することになる典型的なケースについて解説していきます。

未上場株の定義と上場株式との違い

未上場株は、東京証券取引所などの証券取引所に株式を公開していない企業が発行する株式であると一般的に説明されています。 上場企業は、証券取引所が定める厳格な基準を満たした企業のみが名を連ねており、その数は全体の企業数と比べるとごくわずかです。 一方で、未上場企業には、創業したばかりのスタートアップから、何十年も安定した経営を続けている老舗企業まで、多種多様な会社が含まれます。

上場株式と未上場株の違いを整理すると、以下の表のようになります。

比較項目上場株式未上場株
取引の場証券取引所で公開取引市場が存在せず、相対での取引
価格の決まり方市場での需給により日々変動当事者間の交渉や評価方法により決定
流動性高く、いつでも売買しやすい低く、買い手を見つけにくい
情報開示四半期ごとの開示義務がある開示に関する制約が多い場合がある

未上場株には市場価格という明確な基準が存在しません。 そのため、株式の価値を把握するには専門的な評価方法を用いる必要があります。 また、情報開示の面でも上場企業ほど厳格な義務が課されていないことが一般的であるため、株主自身が経営状況を把握しづらいという特徴もあります。

譲渡制限株式とは

多くの未上場株式には、譲渡制限という仕組みが設けられていることが一般的です。 譲渡制限株式とは、株主が第三者へ株式を譲渡する際に、会社の承認を得る必要があるとされる株式のことを指します。 この仕組みは、会社法に基づいて設けられているものであり、意図しない第三者が経営に参加することを防ぐ目的があるとされています。

譲渡制限が設けられている場合、株主が株式を売却したいと思っても、自分の意思だけで自由に譲渡できない場合があるという制約が生じます。 具体的には、株主が会社に対して譲渡承認の請求を行い、会社側が取締役会または株主総会において承認の可否を決定するという流れが一般的です。 承認が得られなかった場合には、会社が別の買主(指定買取人)を指定するなどの手続きに進むことがあるとされています。

未上場株を保有している方の多くは、自分の株式に譲渡制限がついているかどうかを把握していないケースも見られます。 そのため、株式の売却を検討する際には、まず定款や株券(または株主名簿)の記載を確認することが重要な出発点になります。 不明な点がある場合は、発行会社の担当部署に問い合わせるか、専門家に相談することをおすすめします。

未上場株を保有することになる主なケース

未上場株を保有することになる背景は、人によってさまざまです。 自ら会社を設立して経営者として保有するケースもあれば、相続や贈与によって思いがけず取得するケースもあります。 以下では、代表的な3つのパターンについて詳しく見ていきましょう。

創業者・オーナー経営者として保有するケース

会社を設立した創業者や、その経営を引き継いだオーナー経営者は、自社の株式の大部分を保有していることが多いとされています。 この場合、株主としての立場と経営者としての立場が一致しているため、経営に関する意思決定を自らの判断で行いやすいという特徴があります。 ただし、事業を成長させる過程で外部の投資家から出資を受けたり、共同創業者と株式を分け合ったりすることで、保有比率が変化していくケースも少なくありません。

オーナー経営者にとっての未上場株は、単なる資産としての側面だけでなく、経営権そのものを象徴する存在でもあります。 そのため、事業承継や売却を検討する際には、株式の評価額だけでなく、経営権の引き継ぎ方についても慎重に考える必要があります。 将来的な事業承継やM&Aを見据えている場合は、早い段階から専門家に相談しながら計画を立てておくことが望ましいとされています。

相続・贈与により取得するケース

未上場株を保有することになった経緯として、相続や贈与によって取得したケースは非常に多く見られます。 経営者であった親族が亡くなり、その株式を法定相続人として引き継ぐことになったというケースは、決して珍しい話ではありません。 このような場合、株式を取得した本人が経営に関与していないにもかかわらず、株主としての権利や義務だけを引き継ぐことになります。

相続によって取得した未上場株は、そのまま保有を続けるか、売却するかの選択を迫られることがあります。 特に、相続財産の中に未上場株が含まれる場合、評価額によっては相続税の負担が大きくなる可能性がある点に注意が必要です。 相続税の算定や納税方法については、税理士など専門家への相談が推奨されています。

生前贈与によって株式を取得するケースもあり、この場合は贈与税の課税対象となる可能性があります。 贈与のタイミングや金額によって税負担が変わってくることがあるため、事前に計画を立てて進めることが望ましいとされています。 いずれのケースにおいても、取得した株式の評価額を正確に把握することが、その後の判断の土台になります。

従業員持株会・ストックオプションで取得するケース

会社によっては、従業員の福利厚生や経営への参加意識を高める目的で、従業員持株会という制度を設けていることがあります。 従業員持株会に加入すると、給与からの積立などを通じて、少額から自社株式を取得できる仕組みが一般的です。 このような形で株式を取得した従業員は、いわば少数株主として会社に関わることになります。

また、ストックオプションという制度を活用して株式を取得するケースもあります。 ストックオプションとは、あらかじめ決められた価格で将来株式を購入できる権利のことを指し、主に従業員へのインセンティブとして付与されることが一般的です。 権利を行使して株式を取得した場合、その時点での時価と行使価格との差額が課税対象となる可能性があるため、税務上の取り扱いについては専門家に確認することをおすすめします。

いずれの制度で取得した株式であっても、退職後や会社の状況変化によって、保有を続けるべきか売却すべきかを検討する場面が訪れることがあります。 特に、非上場企業を退職した後は、その企業の株式を保有し続けるメリットが薄れることも考えられます。 このような場合の対応方法については、後述する章で詳しく解説していきます。

未上場株を保有する少数株主が抱えやすい悩み

未上場株を保有する株主のうち、経営に大きな影響力を持たない少数株主の立場にある方は、特有の悩みを抱えやすいとされています。 上場株式であれば、いつでも市場で売却して現金化できますが、未上場株の場合はそう簡単にはいきません。 このセクションでは、少数株主が抱えやすい代表的な悩みについて整理していきます。

売却先が見つからない(流動性の低さ)

未上場株が抱える最大の課題の一つが、流動性の低さであるといわれています。 上場株式であれば証券会社を通じていつでも売買できますが、未上場株には共通の取引市場が存在しません。 そのため、株式を売却したいと考えても、自分自身で買い手を探さなければならない場合があるという状況に置かれることが一般的です。

特に、経営に関与していない少数株主の場合、そもそも誰に相談すればよいのかが分からないというケースも多く見られます。 仮に買い手が見つかったとしても、譲渡制限株式であれば会社の承認を得る必要があり、交渉が長期化する可能性も否定できません。 このような流動性リスクを軽減するためには、早めに専門家や専門サービスへ相談し、選択肢を整理しておくことが望ましいとされています。

配当を受け取れないことがある

株式を保有していれば配当を受け取れると考える方も多いですが、未上場株の場合は必ずしも配当が得られるとは限りません。 剰余金の配当は、原則として株主総会の普通決議によって決定されるとされており、経営を支配する株主の意向が大きく反映される仕組みになっています。 つまり、支配株主が配当に反対する場合、少数株主は配当を受け取れない状況が続く可能性があるわけです。

このような状況が続くと、少数株主にとっては、株式を保有していても実質的な利益を得られないという不満が生じやすくなります。 売却によって利益を得ようとしても、前述のとおり買い手を見つけることが難しい場合があるため、保有し続けても売却しても、思うようにいかないというジレンマに陥ることがあります。 こうした状況にある場合は、株式の評価額を把握したうえで、売却や買取交渉といった具体的な選択肢を検討することが一つの方法になります。

経営に関与できない立場

少数株主は、持株比率に応じて一定の株主権を有しているものの、経営そのものに直接影響を与えることが難しい場合が多いとされています。 会社法上、株主が単独で行使できる権利は持株比率によって段階的に定められており、比率が低いほど行使できる権利も限られてきます。

一般的に整理されている株主権の例を、以下の表にまとめました。

持株比率の目安行使できる権利の例
1%以上株主総会における議題の提案権
3%以上株主総会の招集請求権、会計帳簿の閲覧請求権
3分の1超株主総会の特別決議を単独で否決できる権限
2分の1超株主総会の普通決議を単独で可決できる権限
3分の2以上株主総会の特別決議を単独で可決できる権限

このように、持株比率が低い少数株主は、経営方針に異議があっても、それを覆すだけの権限を持たない場合が多いのが実情です。 経営陣との関係が良好であれば問題は生じにくいものの、意見の対立が生じた場合には、少数株主は不利な立場に置かれやすいとされています。 自身の持株比率がどの程度の権利に相当するのかを把握しておくことは、今後の対応を考えるうえで重要な情報になります。

相続時に現金化できず納税資金に困るケース

未上場株を相続した場合、評価額が高額になるほど、相続税の負担も大きくなる傾向があります。 相続税は原則として現金で納付する必要があるとされていますが、未上場株は前述のとおり流動性が低く、すぐに売却して現金化することが難しい資産です。 その結果、相続税の納税資金を別途用意しなければならないという事態に陥る方も少なくありません。

特に、長年にわたって安定した経営を続けてきた企業の株式は、内部留保が積み上がっていることが多く、評価額が想定以上に高くなるケースもあるとされています。 このような場合、相続人が本業とは無関係の株式を抱えたまま、納税資金の確保に苦労するという状況が生じやすくなります。 納税資金の準備が難しい場合には、株式の売却や会社への買取請求といった方法を検討することになりますが、いずれも手続きや評価額の把握が必要となるため、早い段階での専門家への相談が推奨されています。

未上場株の評価方法

未上場株には市場価格が存在しないため、適正な価値を算定するには専用の評価方法を用いる必要があります。 評価方法は、主に相続税や贈与税の算定にあたって用いられる方式が広く知られており、会社の規模や株主の立場によって適用される方式が異なるとされています。 このセクションでは、代表的な3つの評価方式について、それぞれの考え方を解説していきます。

類似業種比準方式

類似業種比準方式は、評価対象となる企業と同じ業種に属する上場企業の株価を参考にして評価額を算定する方法とされています。 具体的には、配当金額、利益金額、純資産価額という3つの指標について、評価対象企業と類似業種の上場企業とを比較し、その比率を用いて株価を算定する仕組みです。 この方式は、比較的規模の大きい企業(大会社)に適用されることが一般的であるとされています。

類似業種比準方式のメリットは、上場企業の市場価格を参考にするため、客観性が高いとされている点にあります。 一方で、評価対象企業と完全に同一の業種が存在しない場合、参考にする業種の選定によって評価額に差が生じる可能性も指摘されています。 そのため、この方式を用いる際には、専門家による適切な業種選定と計算が重要になるとされています。

純資産価額方式

純資産価額方式は、会社を解散したと仮定した場合に株主へ分配される財産の額をもとに評価額を算定する方法です。 主に、規模の小さい企業(小会社)に適用されることが一般的とされていますが、中規模の企業では類似業種比準方式と併用されるケースもあります。

計算の流れとしては、まず相続税評価額に基づいて算定した総資産の額から、総負債の額を差し引いて純資産価額を求めます。 次に、この純資産価額から帳簿価額による純資産価額を差し引いて評価差額(含み益)を求め、その評価差額に一定の税率を乗じた「法人税額等相当額」を控除するという手順が取られています。 この法人税額等相当額の控除率は、財産評価基本通達の改正によって見直されることがあり、2026年4月以後の課税時期については38%が用いられているとされていますが、適用にあたっては課税時期時点の最新の通達を確認する必要があります。

純資産価額方式は、会社が保有する不動産や有価証券などの資産価値が評価額に大きく影響するという特徴があります。 特に、課税時期の直前3年以内に取得した不動産については、通常の取引価額で評価される場合があるとされており、この点は評価額に差を生じさせる要因になり得ます。 このような複雑な計算が必要となるため、純資産価額方式による評価は、税理士など専門家に依頼することが一般的です。

配当還元方式

配当還元方式は、経営に影響力を持たない少数株主が取得した株式を評価する際に用いられる、特例的な評価方式とされています。 同族株主がいる会社において、経営支配権を持たない株主が取得した株式については、会社の規模にかかわらずこの方式が適用されるケースが多いとされています。 先述の2つの方式と比べて、配当還元方式による評価額は低くなる傾向があるとされている点が特徴です。

この方式は、株式の価値を「将来受け取れるであろう配当」を基準に評価するという考え方に基づいています。 そのため、配当をほとんど行っていない会社の株式であっても、一定の下限額が設けられる仕組みになっているとされています。 少数株主が相続や贈与によって未上場株を取得した場合、この配当還元方式が適用できるかどうかによって、税負担が変わる可能性があるため、事前の確認が重要です。

配当還元方式の計算式

配当還元方式による評価額(配当還元価額)は、一般的に以下のような手順で算定されるとされています。

  1. 直前期末以前2年間の年間配当金額の平均値を求める
  2. その平均値を、1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の発行済株式数で割り、「1株当たりの年配当金額」を求める
  3. 「1株当たりの年配当金額」を10%の資本還元率で割り戻して、配当還元価額を算定する

これを式で表すと、次のようになります。

配当還元価額 = (年間配当金額 ÷ 10%) × (1株当たりの資本金等の額 ÷ 50円)

なお、年配当金額が2円50銭未満となる場合には、2円50銭を下限として計算する取り扱いがあるとされています。 これは、配当をまったく行っていない会社であっても、評価額がゼロになってしまうことを避けるための措置と考えられます。 実際の計算にあたっては、直近の決算資料や配当実績を正確に把握する必要があるため、税理士への相談が推奨されます。

会社規模・株主区分による評価方式の使い分け

未上場株の評価方式は、会社の規模と株主の区分の2つの軸によって使い分けられるというのが基本的な考え方です。 まず、会社の規模については、従業員数や総資産額、売上高などの基準によって「大会社」「中会社」「小会社」に区分されるとされています。 一般的に、大会社では類似業種比準方式、小会社では純資産価額方式、中会社では両方式の併用というかたちで評価が行われることが多いとされています。

一方で、株主の区分についても重要な考慮要素があります。 経営を支配する立場にある同族株主が取得した株式には、会社規模に応じた原則的な評価方式が適用されるのに対し、経営への影響力を持たない少数株主が取得した株式には、配当還元方式が適用されるケースが多いとされています。 この判断を誤ると、本来よりも高い評価額で税額が算定されてしまう可能性もあるため、自身がどの株主区分に該当するのかを正確に把握することが重要です。

株式保有特定会社など特殊な評価が必要なケース

評価対象となる会社の資産構成によっては、通常の評価方式とは異なる特殊な評価方法が必要になる場合があります。 その代表例が「株式保有特定会社」と呼ばれる会社です。 これは、総資産のうち株式や出資の占める割合が一定以上に達している会社を指すとされており、このような会社に該当する場合には、純資産価額方式、または一定の計算方法(いわゆるS1+S2方式)を用いて評価することが求められています。

このほかにも、土地の保有割合が高い会社(土地保有特定会社)や、開業して間もない会社など、特殊な評価が必要となるケースがいくつか存在するとされています。 これらのケースに該当するかどうかは、財務諸表の内容を詳細に分析しなければ判断が難しいことが一般的です。 自社や評価対象の会社がこうした特定の会社に該当する可能性がある場合は、早めに税理士へ相談することが望ましいとされています。

未上場株を売却(譲渡)する方法

未上場株を売却する方法は、上場株式のように証券会社を通じて簡単に行えるものではなく、いくつかの手続きを経る必要があります。 また、譲渡制限株式に該当する場合には、会社の承認を得るというステップが必須になります。 このセクションでは、売却の具体的な進め方について、パターン別に解説していきます。

譲渡制限株式の承認手続きの流れ

譲渡制限株式を売却する場合、まずは会社に対して譲渡承認の請求を行うことが必要とされています。 この請求には、譲渡する株式の種類や数、譲渡先となる相手方の情報などを記載することが一般的です。 請求を受けた会社は、定款の定めに応じて、取締役会または株主総会において承認の可否を審議することになります。

会社側が承認の判断を下すまでの期間については、会社法上、一定の期間内に通知を行わなければならないという規定が設けられているとされています。 期間内に通知が行われなかった場合、承認したものとみなされる取り扱いになる場合があるとされているため、手続きの進行状況を確認しておくことが重要です。 承認が得られた場合には、株式譲渡契約の締結、代金の支払い、そして株主名簿の書き換えという流れで手続きが進むことになります。

なお、会社が譲渡を承認しなかった場合には、会社自身が株式を買い取るか、あるいは別の買主(指定買取人)を指定するという対応が取られることがあるとされています。 この場合の買取価格の決定方法についても、会社法上のルールが定められているとされており、当事者間で合意できない場合は裁判所への申立てが選択肢の一つとなることがあります。 手続きが複雑になりやすいため、譲渡制限株式の売却を検討する際は、早い段階で弁護士に相談することをおすすめします。

発行会社(自社)への売却

未上場株の売却先としてまず検討されるのが、発行会社自身への売却です。 会社法上、会社が自己の株式を買い取ることは一定の手続きを踏めば可能とされており、少数株主にとっては現実的な選択肢の一つになります。 特に、外部の買い手を見つけることが難しい未上場株の場合、発行会社への売却は流動性の低さを解消する有効な手段になり得ると考えられています。

ただし、発行会社が株式の買取に応じるかどうかは、会社側の資金状況や経営判断に左右される場合があるため、必ずしも希望通りに進むとは限りません。 また、買取価格についても、株主と会社の間で意見が分かれることが少なくないとされています。 このような場合には、前述した評価方法をもとに、客観的な根拠を示しながら交渉を進めることが望ましいとされています。

第三者・M&A仲介を通じた売却

発行会社への売却が難しい場合、第三者への売却やM&A仲介会社の活用が選択肢として挙げられます。 M&A仲介会社は、売り手と買い手のマッチングから企業価値の評価、契約締結までを専門的にサポートするサービスとされています。 近年、後継者不足に悩む中小企業の事業承継手段として、M&Aによる株式譲渡の活用が増えているといわれています。

第三者への売却では、買い手を見つけること自体が最大のハードルになりやすいという特徴があります。 特に、経営権を持たない少数株主の株式は、買い手にとって魅力が薄いと判断される場合もあり、単独での売却が難しいケースも見られます。 このような場合には、株式評価や買取交渉に関する専門サービスに相談し、選択肢を整理してもらうことも一つの方法です。

会社が買取に応じない場合の対応

発行会社に買取を打診しても、会社側が応じない、あるいは提示された価格が低いと感じるケースも見られます。 このような状況に置かれた少数株主は、どのように対応すればよいのか分からず、そのまま株式を保有し続けてしまうことも少なくありません。

会社が買取に応じない場合の対応としては、まず株式の適正な評価額を専門家に算定してもらい、客観的な根拠を準備することが重要とされています。 そのうえで、会社との話し合いを続ける、あるいは状況によっては裁判所を通じた手続き(株式売買価格決定の申立てなど)が選択肢となることもあります。 なお、少数株主が保有する株式について、評価上のディスカウント(マイノリティディスカウント等)が認められるかどうかは、どのような手続き・場面における評価かによって裁判所の判断が異なる場合があるとされている分野であり、一律の結論を出すことは難しいとされています。

このような法的な判断が絡む場面では、個別の状況に応じた対応が必要となるため、弁護士への相談が不可欠です。 また、交渉に先立って株式の評価額を把握しておきたいという場合には、株式評価を専門とするサービスに相談することも有効な手段の一つと考えられます。 いずれにしても、一人で判断せずに専門家の力を借りることが、望ましい結果につながりやすいとされています。

未上場株にかかる税金

未上場株を売却したり、相続・贈与によって取得したりする際には、さまざまな税金が関係してくる場合があります。 税金の種類や税率は、取得や売却の方法によって異なるため、事前に概要を理解しておくことが重要です。 このセクションでは、未上場株にかかる代表的な税金について解説していきます。

売却時にかかる譲渡所得税

個人が未上場株を売却した場合、その売却益に対して譲渡所得税が課税される場合があります。 この税金は、申告分離課税という方式で扱われることが一般的であり、所得税と住民税を合わせた税率は、上場株式の譲渡所得と同水準の約20%とされています。 具体的には、所得税及び復興特別所得税が15.315%、住民税が5%という内訳になっているとされています。

譲渡所得の金額は、売却価格から取得費や譲渡にかかった費用を差し引いて算定されるという仕組みです。 取得費が不明な場合には、売却価格の5%を取得費として計算することが認められている場合があるとされています。 なお、譲渡価格が時価と比べて著しく低い場合には、時価との差額について、みなし譲渡として別途課税される可能性があるため、特に親族間での譲渡には注意が必要です。

相続・贈与時にかかる相続税・贈与税

未上場株を相続によって取得した場合には相続税が、贈与によって取得した場合には贈与税が課税される場合があるとされています。 これらの税金は累進課税の方式が採用されており、株式の評価額が高くなるほど、適用される税率も段階的に上がっていく仕組みです。 一般的に、相続税・贈与税ともに税率は10%から55%までの範囲で段階的に定められているとされています。

特に贈与税については、相続税と比べて税率が高く設定される傾向があるとされているため、生前贈与を行う場合には計画的に進めることが望ましいとされています。 また、個人から個人への贈与について、著しく低い価格での譲渡が行われた場合には、時価との差額が贈与とみなされる可能性がある点にも注意が必要です。 なお、こうしたみなし贈与に関する判断には、所得税の個人から法人への譲渡のような明確な数値基準(2分の1未満など)が設けられていない場合があるとされており、個別の事情によって取り扱いが異なることがあるため、税理士への確認が推奨されます。

事業承継税制の活用

中小企業の事業承継においては、事業承継税制と呼ばれる制度を活用することで、相続税や贈与税の負担を軽減できる可能性があるとされています。 この制度は、一定の要件を満たした場合に、相続税や贈与税の納税が猶予される、あるいは一定の条件のもとで免除されるという仕組みです。 特例措置が適用される期間内であれば、要件を満たすことで納税額の全額が猶予されるケースもあるとされています。

ただし、事業承継税制の適用には厳格な要件が定められているとされており、雇用の維持や事業の継続といった条件を満たし続ける必要があります。 また、都道府県知事などの認定を受ける必要があるとされており、手続きも複雑になりやすい制度です。 要件を満たさなくなった場合には、猶予されていた税額を一括で納付しなければならない可能性もあるため、この制度の活用を検討する場合には、必ず税理士に相談しながら進めることが重要です。

未上場株を保有し続けるリスクと売却を検討すべきタイミング

未上場株は、保有し続けることにも、売却することにも、それぞれメリットとリスクが存在します。 少数株主の立場にある方は、今後どうすればよいのかという判断に迷うことが多いのではないでしょうか。 このセクションでは、保有を続けるリスクと、売却を検討すべきタイミングについて整理していきます。

保有を続けるリスク

未上場株を保有し続けることには、いくつかのリスクが伴う可能性があるとされています。 まず、前述のとおり流動性が低いという特性があるため、必要なときにすぐ現金化することが難しい場合があります。 急な資金需要が発生した場合でも、未上場株はすぐには売却できないことが多く、資金計画に組み込みにくい資産であるといえます。

また、経営陣との関係が悪化した場合、配当が受け取れない状況が長期化する可能性もあります。 さらに、株式を保有したまま相続が発生すると、評価額によっては相続税の負担が大きくなり、次の世代に課題を引き継ぐ結果になることも考えられます。 このように、保有を続けること自体にも一定のリスクが存在するという認識を持つことが重要です。

売却を検討すべきサイン

未上場株の売却を検討すべきタイミングには、いくつかの典型的なサインがあるとされています。 以下のような状況に該当する場合は、一度売却の可能性を検討してみることをおすすめします。

  • 発行会社を退職し、今後も株式を保有する必要性が薄れてきた場合
  • 配当がほとんど支払われず、資産としての実質的なメリットを感じられない場合
  • 相続によって株式を取得したが、経営には一切関与しておらず、保有する意義を見出しにくい場合
  • 将来の相続税負担を見据えて、生前に資産を整理しておきたい場合
  • 発行会社の業績や経営方針に不安を感じている場合

これらのサインに一つでも当てはまる場合は、まず自分が保有する株式の評価額を把握することが最初のステップになります。 評価額が分からないまま売却の判断をすることは難しいため、専門家や専門サービスに相談し、現状を整理することが望ましいとされています。 売却するかどうかの最終的な判断は、評価額や自身の状況を踏まえたうえで、慎重に行うことが重要です。

未上場株の評価・売却で困ったときの相談先

未上場株に関する悩みは、専門的な知識が必要となる場面が多いため、一人で解決しようとすると時間がかかってしまうことがあります。 このセクションでは、どのような場合にどの専門家へ相談すればよいのか、その考え方を整理していきます。

弁護士・税理士に相談すべきケース

未上場株に関する悩みの中でも、会社との話し合いや法的な手続きが必要になる場面では、弁護士への相談が適しているとされています。 例えば、会社が買取に応じない場合の対応や、譲渡制限株式に関する承認手続きでトラブルが発生した場合などが該当します。 弁護士に相談することで、法的な観点から自身の状況を整理し、取り得る選択肢を確認することができます。

一方で、評価額の算定や税金の計算が必要になる場面では、税理士への相談が適しています。 相続税や贈与税の申告、事業承継税制の活用を検討する場合などは、税理士の専門知識が不可欠です。 なお、個別の税額計算や税務代理行為は税理士のみが行うことができるとされているため、税務に関する具体的な相談は必ず税理士に依頼することが必要です。

株式評価・買取交渉の専門サービスに相談するメリット

弁護士や税理士への相談に加えて、未上場株の評価や買取に特化した専門サービスを活用するという選択肢もあります。 このようなサービスでは、株式の評価額について専門的な視点からの目安を確認したり、売却先の紹介や状況整理のサポートを受けられたりすることが期待できます。

専門サービスに相談するメリットとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 自身が保有する株式の評価額について、専門的な視点からの目安を把握できる
  • 売却の選択肢や進め方について、整理された情報を得られる
  • 弁護士や税理士など、必要な専門家への橋渡しをしてもらえる場合がある
  • 一人で悩みを抱え込まずに、状況に応じたアドバイスを受けられる

未上場株の評価や売却は、専門知識がないまま進めると、不利な条件で話し合いが進んでしまう可能性がある分野です。 特に少数株主の立場にある方は、経営陣との情報の非対称性を感じやすいため、第三者である専門サービスに相談することで、自身の立場を客観的に把握しやすくなるといえます。 まずは無料相談などを活用し、自分の状況を専門家に共有してみることから始めるとよいでしょう。

非上場株式の相続・売却は株式会社繁栄 少数株Laboへご相談ください

非上場株式や少数株式の相続・売却は、上場株式とは異なり、専門的な知識と豊富な経験が求められる分野です。 株式会社繁栄が運営する少数株Laboでは、非上場株式の評価・譲渡・売却に関するご相談を承っています。

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  • 相続や勤務先の持株会などで非上場株式を取得したが、今後どうすればいいかわからない
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少数株Laboでは、無料相談を受け付けています。 「まず話を聞いてほしい」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。 豊富な解決実績を持つ専門スタッフが、あなたの状況に合った最適な方法を一緒に考えます。

まとめ

本記事では、未上場株の基本的な仕組みから、評価方法、売却の進め方、税金の取り扱いまで、幅広く解説してきました。 未上場株は、上場株式と異なり市場価格が存在しないため、その価値を正確に把握することが難しい資産です。 特に、経営に関与できない少数株主の立場にある方は、売却先が見つからない配当を受け取れない相続時の納税資金に困るといった悩みを抱えやすいという特徴があります。

こうした悩みを解決するための第一歩は、自身が保有する株式の適正な評価額を把握することにあります。 評価額が分かれば、保有を続けるべきか、売却を検討すべきかという判断の材料が整い、専門家との相談もスムーズに進めやすくなります。 未上場株に関する悩みは、一人で抱え込まず、弁護士や税理士、そして株式評価の専門サービスといった第三者の力を借りながら、自分にとって納得できる選択を見つけていくことが大切です。

もし、ご自身が保有する未上場株の評価額や今後の対応に悩まれている場合は、無料の相談窓口などを活用し、まずは現状を整理することから始めてみてはいかがでしょうか。

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