みなし贈与とは?非上場株式の該当ケースと評価・回避方法を徹底解説

家族や親族との間で、非上場株式の名義を書き換えたり、格安で譲り渡したりした経験はありませんか。 そうした取引は、当事者に贈与のつもりがなくても、税務上は「贈与」として扱われることがあります。 これが、いわゆるみなし贈与と呼ばれる仕組みです。

とくに非上場株式は、市場価格が存在しないため、取引価格を自由に決めやすいという特徴があります。 その結果、知らないうちに時価との差額が贈与税の課税対象とされる場合があります

この記事では、みなし贈与の基本的な考え方から、非上場株式で該当しやすい具体的なケース、そして非上場株式特有の評価方法までを、体系的に解説します。 さらに、少数株主として非上場株式を保有している方が、株式を手放す場面で気をつけたいポイントについても触れていきます。

「自分の取引がみなし贈与に当たるのか不安」という方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

みなし贈与とは

みなし贈与とは、贈与者と受贈者の間に贈与する・されるという明確な合意がなくても、実質的に贈与を受けたときと同じ経済的な利益が生じた場合に、税務上「贈与があった」と扱う考え方です

たとえば、親が子に不動産や株式の名義を無償で移した場合、当事者は単なる名義変更のつもりであっても、子は実質的に財産という利益を得たことになるケースがあります。 このような実質的な利益の移転に着目して課税するのが、みなし贈与の基本的な発想です。

みなし贈与は、通常の贈与とは異なり、当事者が贈与だと自覚していないまま成立してしまう場合がある点が特徴です。 そのため、後になって税務署から指摘を受けて初めて気づく、というケースも珍しくありません。

通常の贈与との違い(意思表示の有無)

通常の贈与は、贈与者の「あげます」という意思表示と、受贈者の「もらいます」という意思表示が合致することで成立する契約です。 これは民法第549条に定められており、双方の合意があって初めて贈与という法律行為になります。

一方で、みなし贈与には、このような双方の意思表示は存在しません。 財産や利益が無償、あるいは著しく安い対価で移転した結果に着目し、税務上「贈与とみなす」というアプローチを取っている点が大きな違いです。

この違いを表にまとめると、以下のようになります。

項目通常の贈与みなし贈与
成立の根拠民法第549条(契約)相続税法第7条〜第9条など(課税上の擬制)
当事者の意思表示あり(合意が必要)不要(結果として利益が移転していれば成立)
当事者の自覚あることが多いないことが多い

当事者の自覚がないまま課税対象と判断される場合があるという点は、みなし贈与を理解するうえで、まず押さえておきたいポイントです。

みなし贈与の法的根拠(相続税法7条・8条・9条)

みなし贈与は、主に相続税法の以下の3つの条文を根拠として整理されています

  • 相続税法第7条:著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合(低額譲渡)
  • 相続税法第8条:無償、または著しく低い価額の対価で債務の免除等を受けた場合
  • 相続税法第9条:上記以外で、無償、または著しく低い価額の対価によって利益を受けた場合(経済的利益の享受)

国税庁のタックスアンサー(No.4423)でも、個人から著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合には、時価と支払った対価との差額に相当する金額が、贈与により取得したものとみなされる旨が示されています

非上場株式の無償譲渡や名義変更についても、実務上はこれらの条文、とくに第9条を根拠として、みなし贈与に該当すると判断される場合があります。 ただし、どの条文が適用されるかは個々の取引の実態によって異なるため、具体的な事案については税理士や弁護士にご相談ください

みなし贈与の判定基準に明確な数値基準はない

みなし贈与の判定でよく誤解されやすいのが、「時価の何パーセント以下なら贈与になるのか」という数値基準です。

結論から言うと、個人間の取引におけるみなし贈与の判定には、法律上の明確な数値基準は存在しません。 国税庁のタックスアンサー(No.4423)でも、著しく低い価額の対価であるかどうかは、個々の具体的な事案に基づいて判定するとされています

なお、法人に対して資産を譲渡した場合には、所得税法第59条により「時価の2分の1未満」という基準が設けられていますが、これはあくまで個人から法人への譲渡に適用されるものです。 個人間のみなし贈与の判定基準とは異なる制度である点に注意が必要です

このように、個人間の非上場株式の取引においては、「何%以上なら安全」といった単純な線引きができません。 そのため、取引価格を決める際には、過去の裁判例や取引の実態などを踏まえながら、慎重に評価額を検討することが望ましいといえます

非上場株式でみなし贈与に該当する代表的なケース

非上場株式は、市場での売買がないぶん、当事者間で価格を自由に決めやすいという特徴があります。 この自由度の高さが、結果としてみなし贈与のリスクを高める要因になり得ます

ここでは、非上場株式に関して、みなし贈与と判断される可能性がある代表的なケースを紹介します。

非上場株式を無償で名義変更した場合

上場株式であれば、証券取引所を通じて適正な市場価格で売買されるため、みなし贈与の問題は基本的に生じにくいとされています

しかし、非上場株式は取引相場がなく、譲渡する側が売却価格を自由に決められる状況にあります。 そのため、事業承継などの場面で、対価を受け取らずに株式の名義だけを後継者へ移してしまうと、その株式の時価に相当する利益を無償で与えたことになり、みなし贈与と判断される可能性があります

たとえば、一般的な例として、評価額1,000万円の非上場株式を、対価なしで子に名義変更したとします。 このケースでは、子が1,000万円相当の経済的利益を無償で得たとみなされ、贈与税の課税対象になる可能性があります(実際の判定・税額は個々の事情により異なります)。

事業承継を目的とした株式の移転であっても、無償譲渡である以上、みなし贈与のリスクからは逃れられません。 承継のタイミングや方法については、早い段階で専門家に相談しておくことが望ましいでしょう

非上場株式を著しく低い価額で譲渡した場合(低額譲渡)

対価を伴う取引であっても、その金額が時価に比べて著しく低い場合には、みなし贈与に該当することがあります。 これがいわゆる「低額譲渡」です。

たとえば、一般的な例として、時価2,000万円と評価される非上場株式を、親族間で500万円という価格で譲渡したとしましょう。 この場合、金銭のやり取りがあるため一見すると通常の売買に見えますが、時価との差額である1,500万円については、贈与とみなされる可能性があります(あくまで参考例であり、個別の判定は事案により異なります)。

低額譲渡が問題になりやすいのは、以下のような状況です。

  • 事業承継の一環として、後継者へ株式を安値で譲渡するケース
  • 親族間で「相場がよくわからない」という理由で、簡易な価格を設定してしまうケース
  • 会社側の意向で、実勢価値よりも低い買取価格が提示されるケース

先述のとおり、個人間の取引における「著しく低い価額」に明確な数値基準はありません。 そのため、取引価格の妥当性を裏付ける評価根拠を、あらかじめ準備しておくことが重要です

少数株主が会社・支配株主に株式を買い取ってもらう場合の注意点

非上場株式のみなし贈与は、事業承継の場面だけでなく、少数株主が保有株式を手放す局面でも問題になることがあります

たとえば、少数株主が経営に関与できず、配当もほとんど期待できない状況で、会社や支配株主から株式の買い取りを打診されることがあります。 このとき提示された買取価格が、株式本来の評価額に比べて著しく低いものであった場合、差額部分について贈与と判断される可能性が理論上あります

会社法上、株主には一定の要件のもとで株式買取請求権が認められているとされ、株式評価をめぐって当事者間の見解が対立した場合には、裁判所に価格決定を求める手続きが用意されています。 また、非上場株式の評価においては、流動性の低さなどを理由とした評価上の減額(いわゆる少数株主割引・非流動性ディスカウント)の考え方が、手続きの類型によって異なる判断が示される傾向があるとされています。 このあたりの具体的な適用可否は、個々の裁判例や手続きの内容によって変わるため、気になる方は弁護士にご確認ください

少数株主の立場では、会社側から提示された金額をそのまま受け入れてよいかどうかを、自己判断するのは難しいことが多いといえます。 株式の適正な評価額を把握したうえで対応を検討することが、みなし贈与のリスクを避けるだけでなく、株主自身の利益を守ることにもつながる可能性があります。 なお、実際の交渉や手続きの進め方については、弁護士など専門家にご相談ください

株式交換・自己株式の取得に伴うみなし贈与

みなし贈与は、単純な譲渡や名義変更だけでなく、株式交換や自己株式の取得といった組織再編の場面でも問題になることがあります

たとえば、株式交換によって既存株主の持株比率や評価額が実質的に変動し、一部の株主が利益を得る結果となった場合には、その利益相当額について、みなし贈与と判断される可能性があります。 また、会社が特定の株主から著しく低い価額で自己株式を取得した場合にも、他の株主との間で経済的な利益の移転が生じ、問題となることがあります

これらのケースは、通常の株式譲渡に比べて仕組みが複雑であり、税務上の影響を当事者だけで正確に見極めることは容易ではありません。 組織再編や自己株式の取得を検討する際には、実行前の段階で税理士や弁護士に相談し、スキーム全体を確認してもらうことを強くおすすめします

非上場株式のみなし贈与でカギとなる「時価」の考え方

非上場株式のみなし贈与を考えるうえで、避けて通れないのが「時価」をどう算定するかという問題です。 ここからは、非上場株式特有の評価の考え方について解説します。

非上場株式には市場価格がない

上場株式であれば、証券取引所での取引価格という客観的な指標が存在します。 しかし、非上場株式には、こうした公開された市場価格が存在しません

そのため、非上場株式を譲渡・贈与する際の時価は、当事者が自由に決めた金額をそのまま使うわけにはいかず、一定のルールに基づいて算定する必要があります。 この時価の算定において基準となるのが、国税庁が定める財産評価基本通達です。

非上場株式の評価は複雑な計算を伴うことが多く、会社の規模や業種、株主の立場によって適用される方式が変わってきます。 そのため、個別の評価額の算出については、税理士など専門家への相談をおすすめします

財産評価基本通達に基づく評価方式

非上場株式(取引相場のない株式)の評価は、大きく分けて原則的評価方式特例的評価方式(配当還元方式)の2つに分類されるとされています

どちらの方式が適用されるかは、その株式を取得した株主が、会社の経営に対してどの程度の影響力を持っているかによって変わります。 一般的に、経営支配力を持つ同族株主等は原則的評価方式、経営への関与が薄い少数株主は配当還元方式が用いられる傾向にあるとされています

原則的評価方式は、さらに以下の2つの方法に分かれ、会社の規模等に応じて使い分けられるとされています

評価方式概要
類似業種比準方式業種が似た上場会社の株価をもとに、配当・利益・純資産の要素を比較して評価する方法
純資産価額方式会社の総資産から負債等を差し引いた純資産額をもとに、1株あたりの価額を算定する方法
配当還元方式株主が受け取る配当金額をもとに評価する、少数株主向けの簡便的な方法

それぞれの方式について、次項から詳しく見ていきましょう。

類似業種比準方式

類似業種比準方式とは、評価する会社と業種が類似する上場会社の株価をもとに、配当金額・利益金額・純資産価額という3つの要素を比較しながら、株式の評価額を算定する方法とされています

この方式は、会社の規模が比較的大きい場合に適用されやすく、業績や収益力を評価額に反映しやすいという特徴があります。 一方で、比較対象となる類似業種の選定や、各要素の計算が専門的であるため、税理士など専門家による計算が前提となる評価方法といえます

純資産価額方式

純資産価額方式とは、会社が保有する総資産から負債と法人税等相当額を差し引いた金額をもとに、1株あたりの評価額を算定する方法とされています

この方式は、会社の規模が小さい場合や、後述する株式保有特定会社に該当する場合などに適用されることが多く、会社の保有する資産の実態を評価額に反映しやすいという特徴があります。 不動産や有価証券を多く保有している会社では、この方式によって評価額が高くなる傾向がある点に注意が必要です

配当還元方式

配当還元方式とは、会社の経営に対する影響力が小さい少数株主を対象とした、簡便的な評価方法とされています

一般的な計算の考え方としては、以下のようになります(あくまで仕組みの説明であり、個別の計算は異なります)。

  • 年間配当金額を10%で還元して評価額の基礎を求める
  • その金額に、1株あたりの資本金等の額を50円とした場合の株式数を掛けて調整する

つまり、「(年間配当金額 ÷ 10%)×(1株あたりの資本金等の額 ÷ 50円)」という考え方で評価額の基礎が算定される仕組みです。 配当還元方式は、会社の資産価値や収益力そのものではなく、あくまで受け取る配当を基準に評価するため、原則的評価方式と比べて評価額が低く算定される傾向があるとされています。 そのため、少数株主が株式を譲渡・贈与する場面では、どちらの評価方式が適用されるのかによって、みなし贈与の判定結果が変わる可能性があるという点を押さえておく必要があります。

なお、配当還元方式による評価額を自分で正確に計算するのは難しく、非上場会社側から資本金等の額や配当の情報を確認したうえで、税理士に計算を依頼することをおすすめします

株式保有特定会社など特殊な評価が必要なケース

非上場株式の評価では、会社の資産構成によって通常とは異なる評価ルールが適用されるケースがあります

その代表例が、株式保有特定会社です。 これは、会社の総資産のうちに占める株式や出資の割合が一定基準以上である会社を指し、こうした会社に該当すると判定された場合には、原則として純資産価額方式、もしくはいわゆるS1+S2方式という特殊な評価方法が適用されるとされています

株式保有特定会社に該当するかどうかは、決算内容を精査しなければ判断できないケースも多く、自己判断で評価方式を決めるのはリスクが高いといえます。 持株会社的な性格を持つ非上場会社の株式を保有している場合や、譲渡・贈与を検討している場合には、事前に税理士へ相談し、どの評価方式が適用されるのかを確認しておくことが望ましいでしょう

みなし贈与に該当しないケース

ここまで、みなし贈与に該当しやすいケースを見てきましたが、一定の条件を満たす場合には、みなし贈与として扱われないケースもあります

贈与税の基礎控除以下(年間110万円)の場合

贈与税には、暦年課税における年間110万円の基礎控除が設けられています

みなし贈与によって生じた経済的利益についても、この基礎控除の考え方が及ぶため、1年間に生じた利益相当額が110万円以下であれば、贈与税は課税されないとされています。 これは現金の贈与だけでなく、非上場株式のみなし贈与についても同様の取り扱いになるとされています

ただし、複数年にわたって少しずつ株式を移転している場合には、定期贈与(連年贈与)とみなされ、合計額に対して課税される可能性がある点には注意が必要です。 毎年110万円以下に収めているつもりでも、結果として計画的な贈与と判断される場合があるため、継続的な株式移転を検討している場合は、事前に税理士へ相談することをおすすめします

譲り受けた人が資力を喪失し弁済が困難な場合

もう一つの例外が、財産を譲り受けた人が資力を喪失し、債務の弁済が困難な状況にあるケースです。

国税庁のタックスアンサー(No.4423)では、著しく低い価額の対価で財産を譲り受けた場合であっても、譲り受けた人が資力を喪失して債務の弁済が困難であり、かつ、その弁済に充てるために扶養義務者から財産を譲り受けたときは、その弁済が困難である部分の金額については、贈与とみなされない旨が示されています

たとえば、一般的な例として、多額の借金を抱えて返済が困難になった子に対して、親が自身の非上場株式を著しく低い価額で譲渡し、その株式を売却して借金の返済に充てさせるようなケースが考えられます。 このような場合、弁済困難な部分については、みなし贈与としての課税対象から除外される可能性があります

ただし、この例外規定の適用には「資力の喪失」や「弁済の困難性」といった要件の該当性判断が必要となり、当事者の主観だけで判断できるものではありません。 該当する可能性がある場合には、必ず税理士に相談し、要件を満たしているかどうかを確認するようにしてください

みなし贈与は税務署にバレる?発覚の仕組みとリスク

「名義変更や譲渡くらいなら、税務署にはわからないのではないか」と考える方も少なくありません。 しかし、みなし贈与は、当事者が思っている以上に発覚しやすいとされています

税務署が把握する情報(支払調書・KSKシステムなど)

税務署は、株式や不動産の異動に関するさまざまな情報を、日常的に収集していると一般的にいわれています

たとえば、以下のような資料が、みなし贈与の把握に活用されていると考えられています

  • 不動産の所有権移転登記に関する情報
  • 株式等の譲渡対価等に関する支払調書
  • 保険金・解約返戻金の支払いに関する支払調書
  • 過去の所得税・固定資産税の申告データ

こうした情報は、国税庁の内部システムに蓄積・分析されているといわれており、贈与税の申告が行われていない、あるいは申告額が実態と比べて少ない場合には、税務調査の対象として選定される可能性が高まるとされています

非上場株式についても、株主名簿の変更や、会社側が提出する各種届出をきっかけに、名義の異動が把握されることがあります。 「非上場株式だから見つかりにくい」という考え方は、必ずしも正しいとはいえません

みなし贈与が発覚した場合のペナルティ(加算税・延滞税)

税務調査によってみなし贈与が指摘された場合、本来納めるべきだった贈与税本体に加えて、加算税や延滞税といったペナルティが課される可能性があります

主なペナルティの種類は、以下のとおりです。

ペナルティ概要
過少申告加算税申告はしていたが、税額が本来より少なかった場合に課されるもの
無申告加算税本来申告すべきであったにもかかわらず、申告をしていなかった場合に課されるもの
重加算税財産の隠蔽や仮装など、悪質性が高いと判断された場合に課されるもの
延滞税法定納期限までに納付されなかった期間に応じて課される利息的な性質のもの

自ら誤りに気づき、税務調査を受ける前に修正申告や期限後申告を行った場合には、加算税の税率が軽減される場合があります。 みなし贈与の可能性に気づいた時点で放置せず、早めに税理士へ相談し、修正申告等の要否を確認することが望ましいでしょう

なお、贈与税には時効(除斥期間)の制度もありますが、時効の成立を待つという考え方はおすすめできません。 時効が成立する前に税務署から「お尋ね」や調査の連絡が届く可能性は十分にあり、結果的に無申告加算税や延滞税などの負担が重くなるリスクがあるためです

非上場株式のみなし贈与を回避するためのポイント

みなし贈与のリスクは、事前の準備次第で軽減できる可能性があります。 ここでは、非上場株式の取引において意識しておきたいポイントを紹介します。

適正な評価額で取引・申告する

もっとも基本的な対策は、財産評価基本通達に基づいた適正な評価額で株式を取引することです。

前述のとおり、非上場株式には市場価格がないため、当事者の感覚で価格を決めてしまうと、結果的に時価とかけ離れた金額になってしまうことがあります。 類似業種比準方式や純資産価額方式、配当還元方式のうち、どの方式が適用されるのかを事前に確認したうえで、評価額を算定することが重要です

とくに、事業承継の場面で後継者に株式を移転する際には、評価額次第で贈与税や相続税の負担が変わってくる可能性があります。 そのため、取引の前段階で税理士に評価額の算定を依頼し、その結果をもとに取引条件を検討することをおすすめします

贈与税の非課税特例・控除を活用する

株式の移転を計画的に進める場合には、贈与税の各種非課税特例や控除を活用することで、税負担を軽減できる可能性があります

代表的な制度としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 相続時精算課税制度:一定の年齢要件を満たす父母・祖父母から子・孫への贈与について選択できる課税方式
  • 暦年課税の基礎控除(年間110万円):毎年の贈与額を基礎控除の範囲内に収める方法
  • 非上場株式等についての贈与税の納税猶予制度(法人版事業承継税制):一定の要件を満たす事業承継について、贈与税の納税が猶予・免除される制度

とくに、非上場株式の事業承継においては、納税猶予制度の活用によって税負担を抑えられる可能性があるため、後継者への株式移転を検討している場合には、早い段階で制度の適用可否を確認しておくとよいでしょう

ただし、これらの制度は、それぞれ細かい適用要件が定められており、要件を満たさないまま適用してしまうと、後から追徴課税を受けるリスクもあります。 制度の選択・適用にあたっては、必ず税理士に相談し、自身の状況に合った制度かどうかを確認してください

取引価格の根拠を書面で残す

非上場株式を取引する際には、取引価格の算定根拠を書面で残しておくことも、有効な対策のひとつと考えられます

具体的には、以下のような資料を整理・保管しておくと、後の税務調査等の際に取引の経緯を説明しやすくなる可能性があります

  • 税理士等の専門家が作成した株式評価額の算定資料
  • 取引に至った経緯や背景事情をまとめたメモ・議事録
  • 株主総会や取締役会での承認記録(該当する場合)

「なぜその価格で取引したのか」を客観的に説明できる資料があるかどうかは、税務署とのやり取りにおいて重要な要素になり得ます。 とくに親族間や関係者間での取引は、第三者間取引に比べて価格の妥当性を疑われやすい傾向があるとされ書面による裏付けを意識的に残しておくことをおすすめします

非上場株式の相続・売却は株式会社繁栄 少数株Laboへご相談ください

非上場株式や少数株式の相続・売却は、上場株式とは異なり、専門的な知識と豊富な経験が求められる分野です。 とくに、この記事で解説してきたように、非上場株式の取引は評価方法が複雑であるうえに、価格設定を誤るとみなし贈与のリスクを抱えてしまう可能性もあります

株式会社繁栄が運営する少数株Laboでは、非上場株式の譲渡・売却に関するご相談を承っています。 こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。

  • 遺品整理で非上場株式の株券が出てきたが、どうすればいいかわからない
  • 発行会社に買取りを断られてしまった
  • 非上場株式の評価額がわからず、相続税申告に困っている
  • 少数株主として持っているが、売却したい
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少数株Laboでは、無料相談を受け付けています。 「まず話を聞いてほしい」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。 豊富な解決実績を持つ専門スタッフが、あなたの状況に合った最適な方法を一緒に考えます。

まとめ|非上場株式のみなし贈与は事前の評価と専門家相談がカギ

この記事では、みなし贈与の基本的な考え方から、非上場株式に特有の該当ケース、評価方式、そして回避のためのポイントまでを解説してきました。

非上場株式は、市場価格が存在しないという特性上、取引価格の設定次第でみなし贈与のリスクが生じやすい財産といえます。 無償での名義変更や、著しく低い価額での譲渡はもちろん、少数株主が株式を買い取ってもらう場面や、株式交換・自己株式の取得といった場面でも、みなし贈与が問題となる可能性があります

みなし贈与に該当するかどうかを正確に判断するためには、財産評価基本通達に基づいた適正な株式評価が欠かせません。 そして、その評価や税務上の判断は、専門的な知識を要するため、税理士や弁護士といった専門家のサポートを受けながら進めることが望ましいでしょう

とくに、少数株主として非上場株式を保有している方にとっては、「いくらで売却できるのか」「今の提示価格は適正なのか」を把握することが、みなし贈与のリスク回避だけでなく、自身の資産を適正に守ることにもつながる可能性があります

非上場株式の評価や譲渡・贈与に関して不安な点がある方は、自己判断で進めるのではなく、早い段階で専門家に相談し、納得できる形で取引を進めていただければと思います

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