親の株の名義変更は死後いつまで?相続手続きの流れ・必要書類・費用・注意点を解説

親が亡くなったあと、のこされた家族がまず戸惑うことのひとつに、株式のあつかいがあります。

銀行の預金や不動産とちがい、株の相続はふだんの暮らしでほとんど経験しない手続きのため、なにから手をつければよいのか分からず、とまどう方はすくなくありません。

「親名義のままでも、そのままにしておけばいいのだろうか」「名義変更には期限があるのだろうか」「死後どれくらいで動けばよいのか」といった疑問が、つぎつぎとうかんでくるはずです。

じつは、親の株の名義変更をそのままにしておくと、あとから思わぬ不利益をこうむるリスクがあります。

たとえば、口座がうごかせないあいだに株価がさがっても売却できず、損失をふせげないことがあります。

さらに放置がながびくと、あらたな相続がかさなり、手続きそのものがとても複雑になってしまうケースもあるのです。

とはいえ、あわてる必要はありません。

やるべきことを順番にひとつずつたどっていけば、株の名義変更はかならず終えられます。

この記事では、親の株の名義変更を「死後いつまでに」「どのような流れで」「どんな書類をそろえて」すすめればよいのかを、相続手続きのながれにそって、ていねいに解説します。

上場株式だけでなく、親が会社を経営していた場合の非上場株式や、NISA口座の株など、ケースごとの注意点もあわせてお伝えします。

さいごまで読めば、親の株の相続でやるべきことの全体像がつかめ、おちついて手続きにのぞめるようになるはずです。

目次

親が亡くなった後、株はどうなる?名義変更を始める前に知っておきたいこと

親が亡くなったあと、その方がもっていた株はどうなるのでしょうか。

まず知っておきたいのは、株は名義人が亡くなっても、自動的に家族のものになるわけではないという点です。

相続人がきちんと手続きをふんではじめて、親の株を自分の名義にうつしたり、売却して現金にかえたりできるようになります。

この章では、名義変更の手続きにはいる前におさえておきたい、株の相続の基本的なしくみを整理します。

手続きの全体像をつかむ前提として、とても大切な部分なので、じっくり読みすすめてください。

口座は死亡届では凍結されない|遺族の連絡で凍結される仕組み

「役所に死亡届をだせば、親の証券口座は自動的にとまるのでは」と考える方がいますが、これは誤解です。

役所への死亡届と、金融機関の口座凍結は、まったく別のしくみでうごいています。

役所に死亡届をだしても、その情報が証券会社や銀行につたわることは、原則としてありません。

証券口座がとまるのは、あくまで遺族などから証券会社へ「亡くなりました」と連絡がはいったときです。

連絡をうけた証券会社が死亡の事実を確認した時点で、はじめて口座は凍結され、それ以降の売買や出金がとめられます。

つまり、家族がなにも連絡しなければ、口座はしばらくうごいたままになることもあるわけです。

ただし、だからといって連絡をおくらせてよいわけではありません。

相続税の申告では、亡くなった日の残高が基準になるとされています。

そのため、はやめに証券会社へ連絡し、死亡日時点の残高証明書を発行してもらうことが望まれます。

このながれを、かんたんな表にまとめました。

できごと口座への影響
役所に死亡届を提出証券口座は凍結されない
遺族が証券会社へ死亡を連絡連絡後に口座が凍結される
口座凍結後売買・出金・移管などが停止

名義変更をしないと売却も換金もできない

親の株を相続したあと、その株を売って現金にかえたいと考える方はおおいはずです。

ところが、親名義のままの株は、相続人が自由に売ったり換金したりすることができません

株を売却するには、まず親の口座から相続人の口座へ株をうつす「移管」という手続きが必要になります。

この移管をおえて、はじめて相続人が自分の判断で売却できるようになります。

たとえば、親が保有していた上場株式を現金化して相続人どうしで分けたい場合でも、名義変更をとばして売ることはできません。

「相続する」とは、親の株を相続人の証券口座へうつすところからはじまると理解しておくとよいでしょう。

この点は、預金の相続とにているようで、手順がすこし異なります。

預金は解約して現金でうけとれますが、株の場合は「口座から口座へうつす」という作業がまずひつようになる、とおぼえておいてください。

株価は変動するため放置が損失につながる場合がある

株がほかの相続財産とおおきくちがうのは、その価値が毎日うごいているという点です。

不動産や預金とちがい、株価は景気や会社の業績によって、日々あがったりさがったりします。

ここに、名義変更を放置することの、見おとしがちなリスクがひそんでいます。

口座が凍結されているあいだは、たとえ株価が大きくさがっても、相続人はその株を売って損失をふせぐことができません。

手続きのおくれが、そのまま経済的な損失につながってしまうおそれがあります。

たとえば、親が10,000株もっていた銘柄が、手続きをしないあいだに1株あたり500円さがれば、計算上は5,000,000円もの評価がめべりします。

売りたいのに売れない、という状況は、相続人にとって大きなストレスにもなりかねません。

だからこそ、株の名義変更は、ほかの相続手続きのなかでも優先度が高いといえます。

株価の変動リスクをおさえるためにも、はやめに証券会社へ連絡し、手続きにとりかかることをおすすめします。

親の株の相続手続き全体の流れ|死後10ヶ月を目安にしたロードマップ

親の株の名義変更は、単独でぽつんと存在する手続きではありません。

戸籍あつめや遺産分割協議など、相続全体の大きなながれのなかの一部として、ほかの手続きとならんで進んでいきます。

そして、この一連のながれには、ひとつの大きな目安となる期限があります。

それが、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内という、相続税の申告・納付の期限です。

ここでは、亡くなった直後から手続き完了までを、4つのフェーズに分けて整理します。

全体の地図を頭にいれておくことで、いま自分がどの段階にいるのかが分かり、おちついて対応できるようになります。

フェーズ1:遺言書の確認・相続人の確定・財産調査(〜1ヶ月)

最初の1ヶ月でとりくむのは、相続の「土台」をかためる作業です。

まず確認したいのが、遺言書がのこされていないかという点です。

遺言書があれば、株をふくむ財産の分け方は、原則としてその内容にしたがうとされています。

自筆の遺言書がみつかった場合は、家庭裁判所での「検認」という手続きがひつようになることがあるため、勝手にあけないよう注意してください。

つぎに、だれが法的な相続人になるのかを確定させます。

このためには、親の出生から死亡までの、連続した戸籍謄本などをあつめる必要があります。

あわせて、株のほかに預貯金や不動産、借金などがないか、財産の全体像をリストにしていきます。

この段階でとりくむことを、箇条書きにまとめます。

  • 遺言書の有無を確認する(自筆の場合は家庭裁判所の検認が必要になることがある)
  • 親の出生から死亡までの連続した戸籍を集め、相続人を確定させる
  • 株式・預貯金・不動産・負債など、すべての財産をリストアップする

ここでの下ごしらえが、その後の手続きのスムーズさを大きく左右します。

フェーズ2:金融機関への連絡・残高証明書の取得・準確定申告(〜4ヶ月)

つづく段階では、いよいよ金融機関とのやりとりがはじまります。

親が取引していた証券会社に連絡し、口座の凍結と、相続手続きの開始を依頼します。

このとき忘れずにお願いしたいのが、死亡日時点の残高証明書の発行です。

この残高証明書は、相続税の申告や、遺産分割協議を公平にすすめるための、とても大切な基礎資料になります。

また、親が事業をいとなんでいた場合や、不動産の家賃収入があった場合などは、準確定申告がひつようになることがあります。

準確定申告とは、亡くなった方のその年の所得を、相続人が代わって申告する手続きです。

こちらは、相続の開始を知った日の翌日から4ヶ月以内という期限がさだめられているとされているため、該当する場合は早めの対応が求められます。

この段階でやることポイント
証券会社へ死亡を連絡口座凍結と相続手続きの開始を依頼する
残高証明書の取得死亡日時点の残高を証券会社に発行してもらう
準確定申告(必要な場合)死亡を知った日の翌日から4ヶ月以内が期限とされる

フェーズ3:遺産分割協議・協議書作成・名義変更(〜9ヶ月)

相続人と財産が確定したら、いよいよだれがどの財産をうけつぐかを話しあう段階にはいります。

遺言書がない場合、相続人全員で「遺産分割協議」をおこない、株や預金、不動産などの分け方を決めていきます。

話しあいがまとまったら、その内容を「遺産分割協議書」という正式な書面にします。

この協議書には、相続人全員が署名し、実印を押すことになります。

そして、この協議書などをそえて、親名義の株を相続人名義の口座へうつす名義変更(移管)の手続きをおこないます。

株の名義変更が、まさにこのフェーズの中心的な作業になります。

なお、株の移管手続き自体は、相続税の申告・納税の前後どちらでもおこなえるとされています。

ただし、申告期限までに分け方が決まらないと手続きが複雑になりやすいため、遺産分割協議は早めにすすめておくと安心です。

フェーズ4:相続税の申告・納税(〜10ヶ月)

最後のフェーズが、相続税の申告と納税です。

株をふくめたすべての遺産の総額が、あとで説明する基礎控除額をこえる場合に、相続税の申告と納税がひつようになるとされています。

この期限が、たびたびふれてきた相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月以内です。

相続税は、原則として現金で一括して納めることになっています。

そのため、株のように「価値はあるがすぐに現金化しにくい財産」がおおいと、納税資金のじゅんびに苦労するケースもあります。

この10ヶ月という期限から逆算して、全体のスケジュールを組みたてることが、スムーズな相続の大きなコツです。

一連のながれを、最後にロードマップとして一覧にまとめます。

フェーズ時期の目安主なやること
フェーズ1〜1ヶ月遺言書の確認・相続人の確定・財産調査
フェーズ2〜4ヶ月証券会社への連絡・残高証明書の取得・準確定申告
フェーズ3〜9ヶ月遺産分割協議・協議書作成・株の名義変更
フェーズ4〜10ヶ月相続税の申告・納税

故人が保有していた株式の調べ方

親の株を相続するには、まず「どこに」「どんな株を」もっていたのかを正確につかむことが出発点になります。

ふだんから親と株の話をしていればよいのですが、亡くなってからはじめて「株をもっていたらしい」と知るケースもすくなくありません。

ここでは、親がのこした株を手がかりからさがす方法と、どうしても見つからないときの調べ方を解説します。

株の存在を見おとすと、相続財産の申告もれにつながるおそれがあるため、ていねいに確認していきましょう。

自宅で探す手がかり|取引残高報告書・配当金計算書など

親の株をさがす第一歩は、自宅にのこされた郵便物や書類を確認することです。

現在ながれている多くの株は、証券会社の口座で電子的に管理されています。

そのため、証券会社からとどく郵便物が、株の存在をしめす確実な手がかりになります。

とくにチェックしたいのが、つぎのような書類です。

  • 証券会社から定期的にとどく「取引残高報告書」や「運用実績報告書」
  • 配当金がしはらわれた際にとどく「配当金計算書」
  • 証券会社からのメールの履歴やお知らせ

これらの書類には、取引している証券会社の名前や口座の情報が記されています。

まずは机のひきだしや、郵便物をまとめてある場所などを、ていねいにさがしてみてください。

最近はネット証券をつかう方もふえているため、紙の書類がなくても、パソコンやスマートフォンのメールに手がかりがのこっていることもあります。

どこの証券会社かわからないとき|証券保管振替機構(ほふり)への開示請求

書類やメールをさがしても、どこの証券会社と取引していたのか分からない、というケースもあります。

そんなときにたよりになるのが、証券保管振替機構(通称:ほふり)への開示請求です。

ほふりは、株の管理をになう機関で、ここに開示請求をおこなうと、親名義の口座がどの証券会社にあるかを確認できる場合があります。

いわば、株の「ありか」をたどるための、公的な問い合わせ窓口といえます。

書類がまったく見つからず手づまりになったときの、心づよい手段としておぼえておくとよいでしょう。

開示請求に必要な書類

ほふりへの開示請求では、請求する人が本当に相続人であることを証明する書類などが必要になります。

主にじゅんびするものは、つぎのとおりです。

  • 相続人の身分証明書(健康保険証・マイナンバーカード・運転免許証など)のコピー
  • 親(被相続人)と相続人の関係が分かる書類(親の死亡日が記載された戸籍謄本など)

なお、親と相続人の関係性によっては、親の出生から死亡までの戸籍謄本など、追加の書類がもとめられることもあります。

くわしい必要書類は、請求の前に証券保管振替機構の案内で確認しておくと安心です。

開示請求にかかる費用の目安

開示請求には、いくらかの手数料がかかります。

費用の目安を表にまとめました。

請求のしかた費用の目安
通常の開示請求1件あたり6,050円程度
法定相続情報一覧図を提出した場合1件あたり4,950円程度

上記は本記事の作成時点での目安であり、手数料の金額や支払い方法は、時期によって改定される場合があります。

そのため、正確な金額や最新の手続き方法は、請求前に証券保管振替機構の公式案内で確認するようにしてください。

なお、後ほど説明する「法定相続情報一覧図」を先にじゅんびしておくと、開示請求の費用をおさえられる場合があります。

上場株式と非上場株式の違い

親の株がみつかったら、それが「上場株式」なのか「非上場株式」なのかを確認しましょう。

このちがいによって、手続きの連絡先も、むずかしさも大きく変わってくるからです。

上場株式は、証券取引所で売買されている株で、証券会社をつうじて手続きをすすめます。

一方、非上場株式は、親が経営していた会社の株など、市場で売買されていない株を指します。

こちらは証券会社ではなく、株を発行した会社そのものに直接連絡して手続きをおこないます。

両者のちがいを、表で整理します。

項目上場株式非上場株式
主な連絡先証券会社株を発行した会社そのもの
管理方法証券口座・ほふり発行会社の株主名簿
価値の評価市場価格をもとに算定複雑な計算式による算定
主な課題書類手続きの煩雑さ評価額の算定・換金の難しさ・経営権の問題

親が会社を経営していた場合は、非上場株式がふくまれている可能性が高いため、とくに注意がひつようです。

非上場株式の手続きは専門的になりやすいので、のちほど専用の章でくわしく解説します。

上場株式の名義変更手続き

ここからは、親がのこした上場株式を相続人の名義にうつす、具体的な手順を見ていきます。

上場株式の名義変更は、証券会社という窓口が決まっているぶん、流れはわりとはっきりしています。

基本のかたちは「証券会社への連絡」→「相続人名義の口座開設」→「株の移管」という3つのステップです。

ひとつずつ順番に確認していきましょう。

証券会社への連絡と相続人名義の口座開設

上場株式の相続手続きは、親が取引していた証券会社に連絡するところからはじまります。

ここで大切なのが、株はそのまま相続人の手もとに現金で振りこまれるわけではないという点です。

株を相続するには、原則として、株をうけつぐ相続人自身が、その証券会社に口座をもっている必要があります。

つまり、証券会社への連絡と、相続人名義の口座開設は、いわばセットで進んでいく作業になります。

死亡の連絡と必要書類の請求

まずは、親が口座をもっていた証券会社へ、「口座名義人が亡くなった」と連絡します。

この連絡をうけて、証券会社は口座を凍結し、相続手続き用の書類一式を送ってくれます。

このとき、あわせて死亡日時点の残高証明書の発行もお願いしておくと、あとの手続きがスムーズです。

証券会社によって必要書類や進め方がすこしずつ異なるため、送られてきた案内をよく読んでそろえていきましょう。

相続人名義の証券口座を開設する

つぎに、株をうけつぐ相続人が、同じ証券会社に自分名義の口座をつくります。

前にもふれたとおり、上場株式の相続は「親の口座から相続人の口座へうつす」というかたちが基本です。

そのため、相続人がその証券会社に口座をもっていない場合は、あらたに開設する必要があります。

すでに口座をもっている場合は、その口座をそのまま利用できることがおおいです。

名義変更(移管)手続きの進め方

口座のじゅんびがととのったら、いよいよ親の株を相続人の口座へうつす「移管」の手続きです。

証券会社から送られてきた相続手続き書類に必要事項を記入し、戸籍謄本や遺産分割協議書などをそえて提出します。

書類に不備がなければ、証券会社側で手続きがすすみ、親名義だった株が相続人名義の口座にうつされます

移管が完了すれば、相続人は自分の判断で、その株を保有しつづけたり売却したりできるようになります。

上場株式の名義変更の流れを、表にまとめておきます。

ステップやること
① 連絡証券会社へ死亡を連絡し、書類と残高証明書を請求
② 口座開設株をうけつぐ相続人が同じ証券会社に口座を開設
③ 移管必要書類を提出し、親の株を相続人の口座へうつす

紙の株券(タンス株)が見つかった場合|特別口座の確認

親の遺品を整理していると、古い「紙の株券」が出てくることがあります。

いわゆる「タンス株」とよばれるものです。

かつて上場株式は紙の株券で管理されていましたが、制度の変更により、現在は電子的に管理されるしくみへうつっています。

このとき、証券会社の口座にうつされていなかった株は、信託銀行などが管理する「特別口座」というかたちで保管されている場合があります。

そのため、紙の株券が見つかったら、その株券を発行している会社や、案内に記載された信託銀行に問い合わせることが第一歩になります。

問い合わせ先や手続き方法は、株券に記された発行会社や、株主あての通知などから確認できることがおおいです。

古い株券だからといって価値がないとはかぎらないため、見つけたときは自己判断で処分せず、まず問い合わせてみてください。

未受領の配当金がある場合の請求手続き

親が株をもっていた場合、まだ受け取っていない配当金がのこっていることがあります。

配当金は、株主あてに「配当金領収証」が郵送され、それをもって郵便局などでうけとるかたちが一般的です。

この領収証がうけとられないまま、期限をむかえてしまっているケースもあります。

未受領の配当金があるとおもわれる場合は、株を発行した会社や、その手続きをになう信託銀行などに問い合わせることで、対応方法を確認できることがあります。

ただし、配当金を請求できる期間は、会社の定款などによって定められており、一般的に3年から5年程度とされる場合があります。

期限をすぎると請求がむずかしくなることもあるため、心あたりがある場合は早めに確認しておくと安心です。

単元未満株(端株)がある場合の取扱い

株のなかには、通常の売買単位(単元)に満たない「単元未満株」、いわゆる端株がふくまれていることがあります。

単元未満株は、証券取引所で通常どおりに売買することがむずかしいという特徴があります。

そのため、発行会社に買い取ってもらう「買取請求」などの方法で対応することが一般的です。

親の株を整理していて中途半端な株数の株が見つかった場合は、単元未満株の可能性を念頭に、発行会社や証券会社に取扱い方法を確認するとよいでしょう。

非上場株式(親の自社株など)の名義変更手続き

親が会社を経営していた場合などは、市場で売買されていない「非上場株式」を相続することがあります。

非上場株式の名義変更は、上場株式とは連絡先も進め方も大きく異なり、専門的な判断が必要になりやすい分野です。

ここでは、その基本的な流れと、相続で起こりやすい問題を整理します。

発行会社への連絡と株主名簿の名義書換請求

非上場株式には証券会社という窓口がないため、手続きの相手は「株を発行した会社そのもの」になります。

具体的には、その会社に連絡し、株主名簿の名義を親から相続人へ書きかえてもらう「名義書換請求」をおこないます。

会社側は、相続を証明する戸籍謄本や遺産分割協議書などを確認したうえで、株主名簿を書きかえます。

この名義書換がおわってはじめて、相続人が正式にその会社の株主として扱われることになります。

会社ごとに手続きの方法や必要書類が異なるため、まずは会社の担当部署に問い合わせることが出発点です。

譲渡制限株式と会社からの売渡請求に関する注意点

非上場株式のおおくには、「譲渡制限」という条件がついています。

これは、株を他人にゆずるときに、会社の承認を必要とするしくみです。

相続による移転そのものについては、この譲渡制限が直接はたらくわけではないとされていますが、注意しておきたい制度もあります。

会社法には、会社が、相続などで株を取得した人に対して、その株を会社へ売りわたすよう請求できる制度が定められている場合があります。

いわゆる「相続人等に対する売渡請求」とよばれるものです。

この制度が使われると、相続した株を会社に買い取られることになる可能性があります。

制度の適用には一定の要件や期限が定められているとされており、こうした論点は非常に専門的です。

そのため、非上場株式の相続で会社との関係に不安がある場合は、早い段階で弁護士などの専門家に相談することがすすめられます。

非上場株式の相続で起こりやすい問題

非上場株式の相続には、上場株式にはない、いくつかの特有のむずかしさがあります。

「評価」「換金」「経営権」の3つが、とくに問題になりやすいポイントです。

順番に見ていきましょう。

評価額の算定が難しい

上場株式には市場価格という分かりやすい基準がありますが、非上場株式には日々の市場価格が存在しません

そのため、相続税の計算などにあたっては、会社の資産や利益などをもとに、専門的な方法で評価額を算定する必要があります。

代表的な方法として、会社の純資産をもとに評価する「純資産価額方式」や、事業内容がにた上場会社と比べて評価する「類似業種比準方式」などがあるとされています。

どの方法をつかうかは、会社の規模や、株をうけつぐ人の立場などによって変わってくるとされており、判断は容易ではありません。

評価額は相続税の額にも直結する重要な要素であるため、正確な評価については税理士などの専門家に確認することが望まれます。

換金しにくく納税資金に困る場合がある

非上場株式のもうひとつの悩みが、「売りたくても、すぐには売れない」という換金のむずかしさです。

上場株式のように証券取引所で自由に売買できないため、買い手を見つけること自体がかんたんではありません。

一方で、相続税は原則として現金での納付が必要です。

その結果、評価額は高いのに手もとに現金がなく、納税資金の確保に苦労するという事態が起こりやすくなります。

「価値はあるのに現金化できない」というギャップは、非上場株式の相続でとくに注意したいポイントです。

経営権が分散し親族間で対立する可能性

株式は、その保有割合に応じて、会社の意思決定にかかわる権利をともないます。

そのため、親の自社株が複数の相続人に分かれて相続されると、経営権が分散してしまうことがあります。

会社を継ぐ人と、そうでない人とのあいだで意見が分かれ、親族間の対立につながってしまうケースもすくなくありません。

こうした問題は、相続が起きてからでは調整がむずかしいことも多いため、非上場株式がある場合はとくに慎重な対応がもとめられます。

親の株の名義変更に必要な書類一覧

親の株の名義変更では、相続を証明するためのさまざまな書類をそろえる必要があります。

書類の準備は、相続手続きのなかでも手間のかかる作業のひとつです。

ここでは、どのケースでも共通して必要になる書類と、状況に応じて追加される書類を整理します。

必要書類は証券会社や発行会社によって異なるため、最終的には手続き先の案内で確認することを前提に読みすすめてください。

どのケースでも共通して必要になる書類

まず、多くの相続手続きに共通して必要になるのが、つぎのような書類です。

  • 親(被相続人)の出生から死亡までの連続した戸籍謄本
  • 相続人全員の戸籍謄本
  • 相続人全員の印鑑証明書
  • 証券会社や発行会社の所定の相続手続き書類(名義書換請求書など)

これらは、「だれが亡くなり、だれが相続人なのか」を証明するための基本セットといえます。

とくに戸籍は集めるのに時間がかかることがあるため、早めに取りかかっておくと安心です。

相続の状況に応じて追加で必要になる書類

上の基本セットに加えて、相続の進め方によって、追加の書類が必要になります。

代表的なものを表にまとめます。

相続のしかた追加で必要になりやすい書類
遺産分割協議で分けた場合遺産分割協議書、相続人全員の印鑑証明書
遺言書がある場合遺言書(自筆の場合は検認済みのもの)、遺言執行者の証明書類など
法定相続分どおりに分ける場合相続人全員の同意書など

どの書類がどこまで必要かは、手続きをおこなう証券会社や発行会社ごとに違いがあるため、事前の確認が欠かせません。

遺産分割協議書での株式の記載方法

遺産分割協議で株を分けた場合、「どの株を、だれが、どれだけ相続するのか」を協議書に正確に記載することが大切です。

株式については、たとえば「発行会社名」「株式の種類」「株数」などを具体的に書くことで、あとの手続きがスムーズになります。

記載があいまいだと、証券会社での手続きの際に確認をもとめられ、手間が増えてしまうことがあります。

遺産分割協議書は名義変更の重要な根拠となる書面であるため、株式の記載方法に不安がある場合は、専門家に確認してもらうと安心です。

法定相続情報一覧図を活用して手続きを効率化する

相続手続きでは、あちこちの窓口で戸籍一式の提出をもとめられ、同じ書類を何度もそろえる負担が生じがちです。

この負担をやわらげてくれるのが、法務局が発行する「法定相続情報一覧図」です。

これは、だれが相続人であるかを一枚の図にまとめて、法務局が証明してくれる書類です。

一度この一覧図を取得しておけば、証券会社や銀行、法務局などの手続きで、戸籍の束のかわりに使えることがおおく、手続きが大きく効率化されます。

さきほどふれたほふりの開示請求でも、この一覧図を提出すると費用がおさえられる場合があります。

複数の相続手続きが見こまれる場合は、早めに取得しておくと便利な書類だといえます。

親の株の相続時にかかる税金と評価額の考え方

親の株を相続するとき、多くの方が気になるのが税金のことでしょう。

株の相続には、相続時の「相続税」と、あとで売却したときの「税金」という、2つの場面があります。

ここでは、それぞれの基本的な考え方を整理します。

税額の計算は個別の事情によって大きく変わるため、ここでは一般的なしくみの説明にとどめます。

なお、実際の税額や申告の要否については、必ず税理士などの専門家に確認するようにしてください。

相続税の対象となる基準|基礎控除額の目安

相続税は、遺産があれば必ずかかるというものではありません。

遺産の総額が「基礎控除額」をこえる場合に、相続税の対象となるとされています。

この基礎控除額は、「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という式で計算するとされています。

たとえば法定相続人が3人であれば、3,000万円+600万円×3人で、4,800万円が基礎控除額の目安となります。

遺産の総額がこの金額の範囲内におさまっていれば、原則として相続税はかからないとされています。

まずは、親の遺産全体がこの基礎控除額をこえそうかどうかを、おおまかに把握することが出発点になります。

上場株式の相続税評価額の算定方法|4つの価格から最も低い額を選べる

上場株式を相続税の計算にのせるとき、その評価額には、株価の変動をやわらげる配慮がなされています。

具体的には、つぎの4つの価格のうち、もっとも低い価格をもとに評価できるとされています。

  • 課税時期(相続開始日)の終値
  • 課税時期の月の毎日の終値の平均額
  • その前月の毎日の終値の平均額
  • その前々月の毎日の終値の平均額

たまたま相続した日の株価が高かった場合でも、過去数ヶ月の平均などとくらべて低い価格を採用できるしくみになっているわけです。

これは、相続人が不利にならないようにするための配慮だと考えられます。

具体的な評価額の算定にあたっては、証券会社が発行する残高証明書や、各種の価格データが参考になります。

非上場株式の評価方法|類似業種比準方式・純資産価額方式とは

非上場株式は市場価格がないため、独自の方法で評価額を算定する必要があるとされています。

代表的な方法として、つぎのようなものがあります。

  • 類似業種比準方式:事業内容がにた上場会社の株価などと比べて評価する方法
  • 純資産価額方式:会社の資産から負債を差し引いた純資産をもとに評価する方法
  • 配当還元方式:受け取る配当をもとに評価する方法

どの方式を用いるかは、会社の規模や、株をうけつぐ人の会社との関係などによって決まるとされており、判断は非常に専門的です。

非上場株式の評価は相続税額を大きく左右するため、自己判断はさけ、税理士などの専門家に相談することが望まれます。

株を売却した場合の譲渡所得税・住民税

相続した株を、あとで売却して利益が出た場合には、その利益(譲渡所得)に対して税金がかかるとされています。

上場株式などを売却した場合の税率は、所得税・復興特別所得税・住民税をあわせて、一般的に20.315%とされています。

ここで注意したいのが、「利益」は、売った金額から、もともとの取得費などを差し引いて計算されるという点です。

親から相続した株の場合、もともと親が買ったときの価格(取得費)を引きつぐのが原則とされています。

そのため、親がいくらで買ったのかが分かる資料は、将来の売却にそなえて大切に保管しておくとよいでしょう。

相続税を軽減できる場合がある「取得費加算の特例」

相続した株を、相続してからまもなく売却する場合には、税負担をやわらげられる可能性のある制度があります。

それが、「取得費加算の特例」とよばれるものです。

これは、相続税の申告期限の翌日から3年以内(相続開始の翌日から3年10ヶ月以内)に、相続した財産を売却した場合に、支払った相続税の一部を取得費に加算できるとされる制度です。

取得費が増えるぶん、売却益(譲渡所得)がおさえられ、結果として譲渡にかかる税金が軽くなる場合があります。

ただし、適用には期限や要件が定められているため、利用を検討する場合は早めに税理士などの専門家に相談することがすすめられます。

手続きにかかる実費と専門家に依頼した場合の費用の目安

株の相続手続きには、税金とは別に、手続きそのものにかかる実費もあります。

代表的なものを、目安として表にまとめます。

費用の種類目安
戸籍謄本などの取得費用1通あたり数百円程度
ほふりの開示請求費用1件あたり4,950円〜6,050円程度
法定相続情報一覧図の取得発行手数料は無料
専門家への依頼費用依頼先・内容により幅がある

戸籍の通数がおおいと、取得費用もそのぶんかさんでいきます。

また、手続きを税理士・司法書士・弁護士などの専門家に依頼する場合の費用は、依頼する内容や事務所によって大きく変わります

正確な金額は、各手続き先や依頼先に直接確認するようにしてください。

親のNISA口座の株を相続する場合の注意点

近年ふえているのが、親がNISA口座で株や投資信託をもっていたというケースです。

NISAは運用益が非課税になる制度ですが、相続の場面ではいくつか特有の注意点があります。

知らずにいると思わぬ勘違いをしやすいため、ポイントをおさえておきましょう。

NISAの非課税枠は相続人に引き継げない

まず知っておきたいのが、NISAの非課税のメリットは、相続人がそのまま引き継げるわけではないという点です。

NISA口座はあくまで本人のためのもので、名義人が亡くなると、その非課税の運用はそこで終わることになります。

相続によって株や投資信託をうけつぐ場合、それらは相続人の課税口座(通常の口座)へうつされるのが原則とされています。

つまり、うけついだあとの運用益は、通常どおり課税の対象になるということです。

「親がNISAでもっていたから、自分もそのまま非課税で運用できる」というわけではない点に、注意が必要です。

相続時の取得価額は「死亡日の時価」に設定される

もうひとつの重要なポイントが、相続でうけついだ株の「取得価額」の考え方です。

NISA口座内の株などを相続する場合、その取得価額は、親が買ったときの価格ではなく、原則として「死亡日の時価」に設定されるとされています。

これは、通常の課税口座にあった株を相続する場合(親の取得費を引きつぐのが原則)とは、考え方が異なる点です。

将来その株を売却したときの利益は、この「死亡日の時価」を基準に計算されることになります。

NISA口座の株は、通常の口座の株と税金の扱いが違うため、相続する際は取得価額の扱いに注意し、不明な点は税理士などの専門家に確認するようにしてください。

親の株の名義変更を死後に放置するとどうなる?期限とリスク

「株の名義変更に、はっきりした期限はあるのだろうか」と気になる方も多いはずです。

結論からいえば、名義変更そのものに法律上の期限はないとされていますが、放置にはさまざまなリスクがともないます。

ここでは、期限の考え方と、放置によって生じうる問題を整理します。

名義変更手続き自体に法律上の期限はない

親の株の名義変更(移管)という手続きそのものには、「いつまでにしなければならない」という法律上の期限はないとされています。

その意味では、あわてて数日以内に、というものではありません。

ただし、期限がないことと、放置してよいことは、まったく別です。

つぎに見るように、株の相続には期限のある手続きが関係してくるうえ、放置ならではのリスクもあるからです。

相続税・準確定申告など期限のある手続きに注意

名義変更そのものに期限はなくても、株の相続には期限のある手続きが密接にかかわってきます

代表的なのが、これまでにもふれてきた相続税の申告・納税(10ヶ月以内)と、準確定申告(4ヶ月以内)です。

とくに相続税は、株の評価額を確定させたうえで申告する必要があるため、名義変更の準備とも深くつながっています。

「名義変更に期限はないから」と全体を後まわしにすると、これらの期限に間にあわなくなるおそれがあります。

期限のある手続きから逆算して、株の相続もあわせて進めていくことが大切です。

未受領配当金が受け取れなくなる場合がある

放置による具体的なデメリットのひとつが、配当金を受け取れなくなることです。

さきにふれたとおり、配当金には請求できる期間が定められており、一般的に3年から5年程度とされる場合があります。

名義変更をせず放置しているあいだに、この期間をすぎてしまうと、本来うけとれたはずの配当金がうけとれなくなるおそれがあります。

こまかな金額に見えても、年月がたてば積みかさなることもあるため、見のがせないポイントです。

長期間の放置で数次相続が発生し協議が困難になる

もっとも深刻になりやすいのが、「数次相続」とよばれる問題です。

これは、株の名義変更をしないうちに、相続人のひとりがさらに亡くなってしまうようなケースです。

すると、その人の相続人も新たに関係者として加わり、話しあいに参加する人がどんどん増えていきます。

面識のうすい親族どうしで遺産分割協議をしなければならなくなり、合意そのものがとても難しくなることも少なくありません。

「あとでやればいい」と放置した結果、手続きが何倍も大変になってしまうのは、避けたい事態です。

株の名義変更は、相続人がそろっているうちに済ませておくのが、いちばんの安全策だといえます。

親の株を相続人間で公平に分けるには|3つの分割方法

相続人が複数いる場合、「株をどうやって公平に分けるか」は悩みどころになります。

株は1株ずつきれいに分けられるとはかぎらず、価値も変動するため、分け方には工夫が必要です。

分割の方法には、大きく3つのやり方があるとされています。

現物分割・換価分割・代償分割の違い

それぞれの分け方の特徴を、表で整理します。

分割方法内容向いているケース
現物分割株そのものを、相続人ごとに分けて相続する株数が多く、分けやすい場合
換価分割株を売却して現金にかえ、その現金を分ける現金で公平に分けたい場合
代償分割1人が株を相続し、他の相続人に相応の現金などを支払う会社の株を後継者にまとめたい場合など

現物分割は、株そのものを分けるシンプルな方法です。

換価分割は、いったん売却して現金化するため、公平に分けやすい一方、売却のタイミングや譲渡益への課税に注意が必要です。

代償分割は、たとえば自社株を後継者ひとりに集約したいときなどに使われますが、株を相続する人に、他の相続人へ支払う資金が必要になります。

どの方法が適しているかは、株の種類や相続人の状況によって変わってくるため、慎重に検討することが大切です。

換価分割にともなう譲渡益の課税など、税務がからむ場面では、税理士などの専門家に確認しておくと安心です。

不動産の相続登記義務化(2024年4月)との関係

親の相続では、株といっしょに不動産を相続するケースもよくあります。

ここで知っておきたいのが、2024年4月から始まった「相続登記の義務化」です。

株の名義変更と直接の関係はないように見えますが、準備する書類が共通しているため、あわせて把握しておくと効率的です。

株式の名義変更と戸籍収集・遺産分割協議書は共通している

2024年4月1日から、不動産の相続登記が義務化されました。

これにより、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが必要とされ、正当な理由なく怠った場合には10万円以下の過料の対象となる場合があるとされています。

また、義務化の開始前に発生していた相続についても対象となり、2027年3月31日までに登記することがもとめられるとされています。

ここでポイントになるのが、相続登記と株の名義変更では、必要になる書類の多くが共通しているという点です。

具体的には、戸籍謄本一式や遺産分割協議書、法定相続情報一覧図などは、どちらの手続きでも使います。

そのため、株の名義変更と不動産の相続登記は、書類収集をまとめて進めると効率がよいといえます。

不動産もある場合は、この登記の期限も意識しながら、相続全体のスケジュールを組みたてておくと安心です。

親の株の名義変更でよくある質問(Q&A)

最後に、親の株の名義変更について、とくに多く寄せられる疑問にお答えします。

名義変更しないままでも配当金は受け取れる?

親名義のままの株について、そのまま配当金を受け取ることは、基本的にむずかしいとされています。

配当金は株主に支払われるものであり、名義変更をして相続人が正式な株主にならないと、スムーズな受け取りにつながりにくいためです。

また、未受領の配当金には請求できる期間の定めがあり、放置すると受け取れなくなる場合もあります。

配当金の面からも、名義変更は早めに済ませておくのが望ましいといえます。

相続税に時効はある?

相続税にも、「これをすぎると原則として課税されなくなる」という期間があるとされています。

一般的には、申告期限から原則5年(意図的に申告しなかったなど悪質なケースでは7年)とされることが多いようです。

ただし、これは「時効を待てば納税をまぬがれられる」といった性質のものではありません。

無申告や過少申告には、加算税や延滞税といった重いペナルティが科される場合があります。

時効をあてにするのではなく、期限内に正しく申告・納税することが大切です。詳しい取り扱いは税理士などの専門家にご確認ください。

親の株の相続手続きは自分でできる?専門家に相談すべき?

上場株式の比較的シンプルな相続であれば、ご自身で手続きを進めることも十分に可能とされています。

証券会社の案内にしたがって書類をそろえていけば、順を追って進められるケースも多いでしょう。

一方で、つぎのような場合は、専門家への相談を検討したほうが安心です。

  • 非上場株式(親の自社株など)がふくまれている
  • 相続人が多い、または関係が複雑で、遺産分割協議がまとまりにくい
  • 相続税の申告が必要になりそうで、評価額の計算が難しい
  • 不動産など、ほかの相続手続きも同時に進める必要がある

手続きの内容に応じて、税理士・司法書士・弁護士など、相談すべき専門家は変わってきます

「自分のケースはどうだろう」と迷ったときは、無理をせず、早めに専門家に相談してみてください。

非上場株式の相続・売却は株式会社繁栄 少数株Laboへご相談ください

親の株のなかでも、非上場株式の相続や売却は、上場株式とは大きく事情が異なる分野です。

市場での売買ができず、評価額の算定にも専門的な知識がもとめられるため、ご自身だけで対応しようとすると、どこから手をつければよいか分からず立ちどまってしまうことがあります。

株式会社繁栄が運営する少数株Laboでは、非上場株式の譲渡・売却に関するご相談を承っています。

たとえば、つぎのようなお悩みをおもちの方は、お気軽にご相談ください。

  • 遺品整理で非上場株式の株券が出てきたが、どうすればいいかわからない
  • 発行会社に買取りを断られてしまった
  • 非上場株式の評価額がわからず、相続税申告の準備に困っている
  • 少数株主として持っているが、売却したい
  • 株式の価値を確認したうえで、適切に処分したい

少数株Laboでは、無料相談を受け付けています。

「まず話を聞いてほしい」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。

豊富な解決実績をもつ専門スタッフが、あなたの状況に合った方法を一緒に考えます。

まとめ|親の株の名義変更は死後の期限を意識して計画的に

親の株の名義変更は、はじめて経験する方にとっては、とまどうことのおおい手続きです。

ただ、ここまで見てきたように、やるべきことを順番にひとつずつたどっていけば、けっして乗りこえられないものではありません

最後に、この記事の要点をふりかえります。

まず、親の証券口座は、役所への死亡届では凍結されず、遺族からの連絡ではじめて凍結されます。

そして、親名義のままの株は売却も換金もできないため、相続人の口座へうつす名義変更が出発点になります。

手続き全体は、相続の開始を知った日の翌日から10ヶ月という相続税の期限を目安に、4つのフェーズで進んでいきます。

株の名義変更手続き自体に法律上の期限はないとされていますが、放置すると株価の下落に対応できなかったり、配当金を受け取れなくなったり、数次相続で手続きが複雑になったりするリスクがあります。

上場株式は証券会社をつうじて、非上場株式は発行会社に直接連絡して手続きをすすめる、という基本の流れもおさえておきたいポイントです。

とくに、非上場株式の相続や、NISA口座の株の取り扱い、相続税の計算といった専門的な場面では、無理にご自身だけで判断せず、税理士・弁護士・司法書士などの専門家に相談することで、安心して手続きをすすめられます。

大切なご家族がのこしてくれた株を、余計な損失やトラブルなく次の世代へつなぐために、この記事を手続きの第一歩として役だてていただければさいわいです。

まずはできることから、一歩ずつ進めていきましょう。

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