非上場株式を売却しようとしたとき、「税金はどのくらいかかるのだろう」「確定申告は必要なのだろうか」と疑問を感じる方は多いのではないでしょうか。 非上場株式の売却にかかる税金は、売却相手が個人か法人か、あるいは発行会社かによって課税の仕組みが大きく異なる場合があります。 さらに、低額譲渡や無償譲渡をおこなった場合には、思わぬ税務リスクが生じる可能性もあります。 本記事では、非上場株式を売却したときの税金について、税率・計算方法・確定申告の手続きまで、一般的な制度の枠組みをわかりやすく解説します。 なお、個別の税額計算や申告方法については、必ず税理士などの専門家にご相談ください。
非上場株式の売却に関わる税金の基本

非上場株式の売却に関わる税金を正しく理解するためには、まず「非上場株式とはどのような株式か」「上場株式とどのような点で異なるか」を把握しておくことが大切です。 非上場株式とは、証券取引所に上場していない会社の株式のことを指します。 中小企業や同族会社が発行する株式のほとんどがこれに該当し、市場での取引価格が公表されていないため、税務上の取り扱いが複雑になりやすいという特徴があります。 ここでは、税金の基本的な考え方から順を追って確認していきます。
非上場株式と上場株式における税務上の違い
非上場株式と上場株式は、同じ「株式の売却」であっても税務上の取り扱いにいくつかの重要な違いがあります。 まず大きな違いとして挙げられるのが、損益通算の範囲です。 上場株式の譲渡所得は「上場株式等の譲渡所得等」に区分され、上場株式同士であれば損益通算が可能な制度があります。 一方、非上場株式の譲渡所得は「一般株式等の譲渡所得等」に区分され、上場株式の譲渡損益とは通算できません。 平成28年1月1日以降、この区分は明確に分けられており、非上場株式で生じた損失を上場株式の利益と相殺することはできない点に注意が必要です。
次に異なる点として、適正な取引価格の判定の難しさが挙げられます。 上場株式であれば市場価格が日々公表されており、売買価格の適正性を確認しやすい環境にあります。 しかし非上場株式には公開市場が存在しないため、売却価格が税務上の時価と乖離していないかどうかの判断が難しく、誤った価格設定をおこなうと追加の課税が生じる可能性があります。
以下の表で、両者の主な違いをまとめています。
| 項目 | 上場株式 | 非上場株式 |
|---|---|---|
| 所得の区分 | 上場株式等の譲渡所得等 | 一般株式等の譲渡所得等 |
| 市場価格 | 公表されている | 公表されていない |
| 他の株式との損益通算 | 上場株式同士は可能 | 上場株式とは不可 |
| 税務上の時価の判定 | 比較的容易 | 複雑・専門的な評価が必要な場合がある |
| 特定口座の利用 | 可能 | 不可 |
このように、非上場株式は上場株式と比べて税務上の取り扱いが複雑になりやすいため、売却を検討する際には事前に制度の概要を理解しておくことが重要です。
個人が売却する場合にかかる税金の種類
個人が非上場株式を売却した場合、譲渡益(売却益)に対して税金が課される場合があります。 課税される税金の種類は、所得税・住民税・復興特別所得税の3つが基本となります。 それぞれの概要を以下で確認していきます。
所得税・住民税・復興特別所得税の概要
個人が非上場株式を売却して譲渡益が生じた場合、一般的に以下の税率が適用されます。
| 税目 | 税率 |
|---|---|
| 所得税 | 15% |
| 復興特別所得税(所得税額の2.1%) | 0.315% |
| 住民税 | 5% |
| 合計 | 20.315% |
所得税と復興特別所得税を合わせた税率は15.315%となり、住民税の5%と合わせると合計20.315%が課税される仕組みです(国税庁No.1463参照)。 復興特別所得税は、東日本大震災の復興財源として平成25年から令和19年までの間、所得税額に2.1%を乗じて課税される税金です。 住民税は居住する地方自治体に納付するもので、税率は一般的に5%とされています。
なお、非上場株式の売却益にかかる税金の計算には、取得費や譲渡費用の内容を事前に整理しておくことが重要です。 これらの費用を事前に整理しておくことで、申告時の確認がスムーズになる場合があります。
申告分離課税とはどのような制度か
非上場株式の譲渡所得には、「申告分離課税」という課税方式が適用されます。 申告分離課税とは、給与所得や事業所得などの他の所得とは切り離して、個別に税額を計算・申告する制度です。 通常の所得税は、すべての所得を合算して累進税率(5%〜45%)を適用する「総合課税」という方式を採用しています。 しかし、株式の譲渡所得については申告分離課税が適用されるため、他の所得の多寡にかかわらず一律20.315%の税率で課税される仕組みになっています。
申告分離課税のもとでは、以下の点に注意が必要です。
- 他の所得と損益通算ができない(一般株式等の区分内では通算できる場合がある)
- 確定申告の際に、専用の申告書(第三表・分離課税用)を使用する必要がある
- 申告しないと税務署から指摘を受ける可能性がある
申告分離課税の特徴は、所得が多い方でも一律20.315%が適用される点です。 総合課税だと最高税率55%(所得税45%+住民税10%)が適用される可能性がありますが、申告分離課税であればその水準を大幅に下回る税率で済む場合があります。 ただし、みなし配当が生じる場合(発行会社への売却など)は総合課税となるケースがあるため、売却相手によって課税方式が異なる点に注意が必要です。
法人が売却する場合にかかる税金の種類
個人ではなく法人が非上場株式を売却する場合、課税の仕組みは個人とは異なります。 法人が非上場株式を売却して譲渡益が生じた場合、その益は法人の所得として他の損益と合算され、法人税・法人住民税・事業税の課税対象となります。 個人の場合のように申告分離課税として切り離して計算するのではなく、会社全体の損益に組み込んで計算する点が大きな違いです。
法人税の実効税率は、会社の規模や所得水準によって異なりますが、一般的に約30%前後とされる場合があります。 具体的には、資本金1億円以下の中小法人であれば所得800万円以下の部分に軽減税率が適用される制度があるなど、会社の状況によって税負担は変わります(国税庁No.5759参照)。
また、法人が非上場株式を個人に対して売却する際、売却価格が適正でないと判断された場合には「寄付金」とみなされる可能性があります。 そのケースでは、購入した個人の側で「賞与」として扱われることもあるため、法人が売却する際にも適正な取引価格の設定が求められます。 いずれの場合も、具体的な税務処理については税理士への相談を推奨します。
非上場株式の譲渡所得の計算方法

非上場株式を売却したときにかかる税金を把握するためには、まず「譲渡所得がいくらになるか」を理解することが重要です。 譲渡所得の計算方法は、基本的な構造こそシンプルですが、取得費や譲渡費用の扱い方によって課税額が大きく変わる場合があります。 ここでは、計算式の基本から具体的な内容まで順に解説します。
譲渡所得の基本的な計算式
非上場株式の譲渡所得は、以下の計算式で算出するのが一般的です。
譲渡所得 = 収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)
それぞれの用語の意味は以下の通りです。
| 用語 | 内容 |
|---|---|
| 収入金額 | 株式を売却した際に受け取った対価(売却価格) |
| 取得費 | 株式を取得したときにかかった費用の合計 |
| 譲渡費用 | 売却にあたって支出した費用 |
この計算式で算出した譲渡所得に対して、税率20.315%を乗じた金額が税額の目安となります。
譲渡税額(目安) = 譲渡所得 × 20.315%
ただし、この計算はあくまで参考的な概算であり、個別の事情によって実際の税額は異なる可能性があります。 正確な税額については、必ず税理士にご確認ください。
取得費・譲渡費用とは何か
譲渡所得の計算において、取得費と譲渡費用を正確に把握することは非常に重要です。 これらの金額が大きいほど課税対象となる譲渡所得が小さくなるため、漏れなく整理しておくことが適正な申告につながるといえます。
取得費の範囲と具体例
取得費とは、売却した非上場株式を取得したときにかかった費用の合計額のことです。 具体的には、以下のような費用が取得費に該当する場合があります。
- 株式の購入代金(購入時の本体価格)
- 購入時に支払った手数料
- 一定の借入金の利子(株式取得のために要したもの)
取得費は、株式を取得した時点での費用を正確に記録・保管しておくことが大切です。 非上場株式は市場で売買されないため、購入時の契約書や領収書がなければ取得費を証明することが難しくなります。 将来の売却を見据えて、取引時の書類はしっかりと保管しておくことが重要です。
取得費が不明な場合の概算取得費(収入金額の5%)
取得費が不明な場合、たとえば相続で引き継いだ株式で購入価格の記録がないケースなどでは、収入金額(売却価格)の5%を「概算取得費」として計算することが認められている場合があります(所得税基本通達38−16参照)。
例えば、売却価格が1,000万円の場合、概算取得費は50万円(1,000万円×5%)となります。 この場合、譲渡所得は950万円(1,000万円−50万円)となり、実際の取得費が50万円を上回っていた場合には、概算取得費を使うと税負担が重くなる可能性があります。
概算取得費を使うことが必ずしも有利とは限らないため、取得費を証明できる書類がある場合は、実際の取得費を使って計算することが望ましいといえます。 取得費の扱いに迷う場合は、税理士に相談のうえ判断することを推奨します。
譲渡費用とは、株式の売却にあたって実際に支出した費用のことです。 代表的なものとして、以下が挙げられます。
- 売却時に支払った仲介手数料
- 印紙税
- その他売却のために直接要した費用
これらも漏れなく整理しておくことで、申告時の確認がスムーズになります。
一般的な計算例(参考値)
ここでは、一般的な条件を前提にした計算の参考例を示します。 あくまでも制度の仕組みを理解するための参考値であり、実際の税額は個別の事情によって異なります。 正確な計算は税理士にご相談ください。
【参考例】個人が非上場株式を売却した場合
- 売却価格(収入金額):1,000万円
- 取得費:200万円
- 譲渡費用:なし
譲渡所得 = 1,000万円 −(200万円 + 0円)= 800万円 所得税等(15.315%)= 800万円 × 15.315% = 約122万5,200円 住民税(5%)= 800万円 × 5% = 40万円 合計税額(目安)= 約162万5,200円
この例では、800万円の譲渡所得に対して合計で約162万円の税負担が生じる計算となります。 ただし、所得控除の有無や住民税の計算の細部により実際の金額は異なる場合があります。
取得費が不明で概算取得費(5%)を使う場合は以下の通りです。
- 概算取得費:1,000万円 × 5% = 50万円
- 譲渡所得:1,000万円 − 50万円 = 950万円
取得費が200万円と証明できる場合に比べ、譲渡所得が150万円増えるため、取得費の証明書類の有無が税負担に影響することがわかります。
売却相手によって異なる税務上の取り扱い

非上場株式の売却では、「誰に売るか」によって税務上の取り扱いが大きく変わる場合があります。 大きく分けると、「個人または第三者法人への売却」「発行会社(自社株買い)への売却」「相続した株式を発行会社へ売却する特例」の3つの場面があります。 それぞれの仕組みを理解しておくことで、売却前に適切な準備や相談をおこなう判断材料とすることができます。
個人・第三者法人に売却する場合
個人が非上場株式を別の個人または第三者の法人に売却した場合、売主(譲渡人)に譲渡所得が生じ、申告分離課税として20.315%の税率が適用されるのが一般的です。 課税の仕組みは前述の計算方法の通りであり、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額が譲渡所得となります。
ただし、第三者法人への売却では、売却価格が時価の2分の1未満となる場合には「みなし譲渡」として扱われる可能性があります(所得税法第59条)。 この場合、実際の売却価格ではなく時価に基づいて譲渡所得が計算される場合があるため、価格設定には注意が必要です。
また、買主が売主にとって同族会社に該当する法人の場合、時価の2分の1以上であっても時価を下回る価格での売却が問題とされる場合があります(所得税基本通達59−3)。 このように、売却相手の属性によって課税の判断基準が異なるため、適正な時価での取引をおこなうことが重要です。
個人から個人への売却において、売却価格が適正な時価を下回っていた場合には、差額部分が買主への贈与とみなされ、買主に贈与税が課される可能性があります(相続税法第7条)。 このような「みなし贈与」の問題は、親子間や親族間での株式譲渡において特に注意が必要な点といえます。
発行会社(自社株買い)に売却する場合
非上場株式を発行会社(株式を発行した会社そのもの)に売却する場合、法人による「自己株式の取得」に該当します。 このケースでは、個人や第三者法人への売却とは異なる課税の仕組みが適用される場合があり、特に「みなし配当」の問題が生じる可能性があります。
みなし配当とはどのような制度か
みなし配当とは、会社法上の剰余金の配当には該当しないものの、その実質が配当と変わらないとして、税法上「配当」として扱われる制度です。 発行会社が自己株式を取得する際に株主に交付した金銭等の金額のうち、資本金等の額に対応する部分を超える金額が「みなし配当」として課税対象となる場合があります。
みなし配当が生じる仕組みを簡単に整理すると、以下の通りです。
- 発行会社が株主(売主)に支払った金額のうち、資本の払い戻しに相当する部分 → 譲渡所得として扱われる
- 資本の払い戻し部分を超える金額 → みなし配当(配当所得)として扱われる
なお、みなし配当の金額については、発行会社によって20.42%の源泉所得税・復興特別所得税の源泉徴収がおこなわれるのが一般的です。
みなし配当と譲渡所得の課税区分の考え方
発行会社への売却では、受け取った金額を「みなし配当(配当所得)」と「譲渡所得」に区分して、それぞれ異なる課税方式で計算する必要があります。
| 区分 | 課税方式 | 税率の目安 |
|---|---|---|
| みなし配当(配当所得) | 総合課税 | 他の所得と合算して5%〜45%(住民税10%別途) |
| 譲渡所得 | 申告分離課税 | 20.315% |
みなし配当は総合課税の対象となるため、他の所得が多い方の場合は税率が高くなる可能性があります。 国内の非上場株式に係るみなし配当については、配当控除の適用を受けられる場合があります(適用の可否については税理士にご確認ください)。 課税区分の判断や具体的な税額計算は複雑であるため、発行会社への売却を検討する場合は税理士への相談を強く推奨します。
相続した非上場株式を発行会社に譲渡する場合の特例制度
相続によって取得した非上場株式を発行会社に売却する場合、一定の条件を満たすと「みなし配当」として課税されない特例制度が設けられています(租税特別措置法第9条の7)。
この特例の適用を受けるためには、以下の3つの条件をすべて満たす必要があります。
- 相続または遺贈により財産を取得した個人(株主)に、納付すべき相続税額があること
- その個人が、相続税の課税価格の計算に算入された非上場株式を発行会社に売却すること
- 売却した時期が、相続開始日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年以内であること
この特例が適用されると、本来みなし配当として総合課税の対象となる部分が、譲渡所得(申告分離課税)として扱われるため、税負担が軽減される場合があります。 相続した非上場株式の取り扱いにお悩みの方は、早めに専門家に相談し、特例の適用期間や要件を確認しておくことが重要です。
また、この特例の適用を受けられる場合には、相続税額のうち一定金額を取得費に加算できる別の特例(租税特別措置法第39条)も同時に適用できる場合があります。 手続きには発行会社への届出書の提出など事務的な要件もあるため、該当する可能性がある方は早めに税理士に相談することを推奨します。
著しく低い価額・無償で売却する場合の注意点

非上場株式を売却する際、親族や知人への好意から「相場より安く売る」「無償で譲る」といったケースが生じることがあります。 しかし、著しく低い価額や無償での譲渡は、税務上の問題が生じる可能性があるため、十分な注意が必要です。 ここでは、低額譲渡・無償譲渡に関する税務上のリスクの考え方を解説します。
低額譲渡・無償譲渡が税務上問題となる場合がある理由
非上場株式には市場価格が存在しないため、売却価格を自由に設定しやすい側面があります。 しかし、税法上は売却価格が適正な時価から大きく乖離している場合、実際の取引価格ではなく時価に基づいて課税がなされる場合があります。 これは、著しく低い価格での取引を容認すると、意図的な課税逃れが可能になるためです。
特に、法人に対して時価の2分の1未満の価額で売却した場合には、所得税法第59条に基づいて「みなし譲渡」として扱われる可能性があります。 この場合、実際の売却価格が低くても、時価で売却したものとして譲渡所得が計算されることになります。 結果として、実際に受け取った金額より多い所得を申告しなければならないケースが生じる可能性があります。
売り手・買い手それぞれへの課税リスクの考え方
低額譲渡・無償譲渡では、売り手(譲渡人)だけでなく買い手(譲受人)にも課税リスクが生じる可能性があります。 それぞれのリスクの考え方を整理します。
みなし贈与課税が生じる可能性がある場面
個人から個人への低額譲渡において、売却価格が適正な時価を下回る場合には、差額部分が買主(譲受人)への贈与とみなされ、贈与税が課される可能性があります(相続税法第7条)。
例えば、時価1,000万円の非上場株式を500万円で売却した場合、差額の500万円が贈与とみなされ、買主に対して贈与税が課される可能性があります。 贈与税は贈与財産の金額や贈与者との関係によって税率が変わる場合があります(詳細は税理士にご確認ください)。
また、贈与税には連帯納付義務(相続税法第34条第4項)があります。 買主が贈与税を適切に納付しない場合、売主がその税額の一部を納付しなければならなくなる可能性がある点にも注意が必要です。
みなし譲渡課税が生じる可能性がある場面
個人が法人に対して非上場株式を著しく低い価額(時価の2分の1未満)で売却した場合、所得税法第59条の規定により時価で譲渡したものとみなして譲渡所得が計算される場合があります。
この取り扱いを「みなし譲渡」といい、実際の売却価格が低くても、時価を基準に譲渡所得が計算されるため、想定以上の税負担が生じる可能性があります。 一方、買主である法人側では、時価と実際の購入価格との差額が「受贈益」として法人税の課税対象となる可能性があります。
売り手・買い手それぞれへの課税リスクの概要を以下の表で整理します。
| 売却の状況 | 売り手への影響 | 買い手への影響 |
|---|---|---|
| 個人→個人への低額譲渡 | 実際の売却価格で譲渡所得を計算 | 差額部分にみなし贈与税が生じる可能性 |
| 個人→法人への低額譲渡(時価の1/2未満) | 時価で譲渡したとみなし課税される可能性 | 差額部分が受贈益として法人税の対象となる可能性 |
| 個人→個人・法人への無償譲渡 | 同上 | 同上 |
このようなリスクを避けるためには、売却前に適正な時価を算定し、その価格に基づいた取引をおこなうことが重要です。 非上場株式の時価算定には、類似業種比準方式・純資産価額方式・配当還元方式などの評価方法が用いられる場合があります。 いずれの方法が適切かは個別の状況によって異なるため、専門家への相談を推奨します。
非上場株式売却後の確定申告

非上場株式を売却して譲渡所得が生じた場合、確定申告をおこなう必要がある場合があります。 申告漏れや書類の不備があると、税務署から指摘を受けるリスクが生じるため、手続きの概要をあらかじめ把握しておくことが大切です。
確定申告が必要となる一般的なケース
非上場株式の売却による譲渡所得は申告分離課税の対象となるため、売却益が生じた場合は原則として確定申告が必要となります。 確定申告は、売却した年の翌年2月16日から3月15日までの間に、所轄の税務署へ申告書を提出するのが一般的です(対象期間は1月1日から12月31日)。
確定申告が必要となる一般的なケースとして、以下が挙げられます。
- 非上場株式の売却で譲渡益が生じた場合
- 発行会社への売却でみなし配当が生じた場合
- 低額譲渡に関連して贈与税の申告が別途必要となる場合
一方、売却によって譲渡損失が生じた場合でも、確定申告をおこなうことで非上場株式同士の損益通算(同一区分内)ができる場合があります。 損失が生じた年の確定申告の要否については、税理士にご確認ください。
確定申告に必要な書類の種類
非上場株式を売却した場合の確定申告では、通常の確定申告書に加えて分離課税用の書類が必要となります。 一般的に必要となる書類の種類は以下の通りです。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 確定申告書B(第一表・第二表) | 総合課税分の所得を含む基本の申告書 |
| 確定申告書第三表(分離課税用) | 申告分離課税の所得を記載する専用書類 |
| 株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書 | 譲渡所得の計算内容を記載する明細書 |
| 譲渡契約書・売買明細書 | 売却の事実と価格を証明する書類 |
| 取得費の根拠となる資料 | 購入時の契約書・領収書など |
| マイナンバーカードまたは本人確認書類 | 本人確認のために添付が必要 |
書類の準備は申告期限の前に余裕をもっておこなうことが重要です。 特に取得費の根拠となる書類は、売却後にさかのぼって収集することが難しい場合があるため、株式取得時から大切に保管しておくことを推奨します。 書類の準備や記入方法に不安がある場合は、税理士への相談を検討してください。
非上場株式と上場株式の損益通算の可否
非上場株式の売却で生じた損益と、上場株式の売却で生じた損益は、原則として損益通算(相殺)ができない点に注意が必要です。 平成28年1月1日以降、非上場株式の譲渡所得は「一般株式等の譲渡所得等」として、上場株式の「上場株式等の譲渡所得等」とは別区分で管理されています。
損益通算の可否をまとめると、以下の通りです。
| 組み合わせ | 損益通算の可否 |
|---|---|
| 非上場株式の利益 × 非上場株式の損失 | 可能(同一区分内での通算) |
| 非上場株式の損失 × 上場株式の利益 | 不可 |
| 上場株式の損失 × 非上場株式の利益 | 不可 |
| 非上場株式の利益 × 一般公社債等の譲渡損失 | 通算できる場合がある |
非上場株式で生じた損失を上場株式の利益で相殺しようとしても認められないため、ポートフォリオ全体の税務管理において混同しないよう注意が必要です。 また、一般株式等(非上場株式)の譲渡損失については、上場株式等の譲渡損失に認められている3年間の繰越控除制度が設けられていない点も確認しておきましょう。
非上場株式の売却にともなう税務のお悩みは、少数株Laboへご相談ください

非上場株式の売却では、税率や計算方法・確定申告の手続きなど、上場株式とは異なる複雑な税務対応が求められます。 「みなし配当が発生するかどうかわからない」「取得費の資料が手元にない」「低額譲渡をしてしまったかもしれない」など、売却後に税務上の問題が発覚するケースも少なくありません。 株式会社繁栄が運営する少数株Laboでは、非上場株式の譲渡・売却に関するご相談を承っています。
こんなお悩みをお持ちの方は、ぜひご相談ください。
- 非上場株式を売却したが、確定申告の方法がわからない
- 発行会社への売却を検討しているが、みなし配当の扱いが不安
- 相続で引き継いだ株式を売りたいが、取得費が不明で困っている
- 低額・無償での譲渡を考えているが、税務リスクが心配
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少数株Laboでは、無料相談を受け付けています。 「まず話を聞いてほしい」という段階からでも、お気軽にお問い合わせください。 豊富な解決実績を持つ専門スタッフが、あなたの状況に合った最適な方法を一緒に考えます。
まとめ|非上場株式売却の税務は専門家への相談を
本記事では、非上場株式を売却したときにかかる税金について、税率・計算方法・売却相手による違い・確定申告の手続きまで、一般的な制度の枠組みを解説しました。 重要なポイントを改めて整理します。
- 個人が売却した場合の税率は、一般的に合計20.315%(所得税15.315%+住民税5%)が目安
- 譲渡所得は「収入金額 −(取得費 + 譲渡費用)」で計算する
- 売却相手が個人・法人・発行会社のどれかによって、課税の仕組みが大きく異なる場合がある
- 発行会社への売却ではみなし配当が生じる可能性があり、総合課税の対象となる場合がある
- 低額譲渡・無償譲渡は、売り手・買い手双方に想定外の税負担が生じる可能性がある
- 非上場株式の損失は上場株式の利益と損益通算できない
- 確定申告は売却益が生じた場合に原則として必要となる
非上場株式の税務は、状況によって課税の仕組みや必要な手続きが複雑に異なります。 本記事で紹介した内容はあくまで一般的な制度の概要であり、個別の税額計算や申告方法については、必ず税理士などの専門家にご相談ください。 適切な専門家のサポートを受けることで、思わぬ税務リスクを回避し、安心して売却手続きを進めることができます。

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